高津区 人物風土記
公開日:2021.02.12
「高津区認知症連携を進める会」主宰者の一人で、啓発オンライン講座を開催している
中根 一(まこと)さん
二子在勤 59歳
「今」を大事に過ごして
○…昨年12月に行ったオンライン講座は約80人が参加。見逃した人たちの要望に応え、再配信が決まった。実際の講座だと当事者しか来ないことが多いというが、認知症の知識はその家族や若い人にも備えてほしいこと。「オンラインで行うことで、幅広い人に参加してもらえた」と振り返る。ネット配信の強みを実感し、今後の開催にも前向きな姿勢をみせる。
○…帝京大学溝口病院脳神経外科の教授。2006年からもの忘れ外来を開設し、認知症患者を診てきた。「認知症は地域でどう診ていくかが重要。一つの方向性を持たなければいけない」。そんな思いから、医師やケアマネージャー、薬剤師などさまざまな職種が集まる「高津区認知症連携を進める会」を仲間と立ち上げた。「毎年決めていることは、活動を行う中で『何かを残したい』ということ。講座でも冊子でも、何かしら患者さんのためになることをしたい」と話す。
○…愛知県出身。未だ解明されていないことが多い「脳」の分野に興味を持ち、脳神経外科に進んだ。認知症患者や家族には「うまくやってね」と声をかける。「厳格にやると疲れちゃう。基本的には加齢によるものだからある意味順当なこと。難しいことだけど、そうしないと破綻してしまう」。双方に寄り添う姿がうかがえる。「先のことが不安になることもあると思うけど、今を大事に過ごしてほしい」
○…時間があるときは病院近くの二ヶ領用水沿いを散策する。多忙な日々を過ごす中での、安らぎを感じる大切なひとときだ。出張講座で区内をまわったこともあり、街に愛着も感じている。「高津区はまだまだ知らないところもあるし、面白い街。医師として少しでも地域に還元できれば」と思いを語った。
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