高津区 人物風土記
公開日:2021.05.14
指導にあたる水球チームを全国制覇に導いた
加藤 健太さん
宇奈根勤務 29歳
「『楽』は楽しい訳じゃない」
○…宇奈根にある「カワサキ・スイミングクラブ」に所属するメンバーで構成される水球チーム「コンバット」を率いて8年。今春、千葉県で行われたジュニアオリンピック水球競技(中学生区分)で優勝に導いた。全国制覇はチーム22年ぶり。コロナ下、満足のいく練習ができない逆境を跳ね除けた選手達に「本当に誇りに思いますよ」と最大限の敬意を払う。
○…自身も同クラブに通い、小学2年生の頃から水球の道へ。「プールでやるドッジボールみたいなもの」との誘い文句に惹かれたが「それは嘘でしたね」と苦笑い。それでも水面下で相手選手と激しくコンタクトする事も珍しくない競技の特性に魅せられ瞬く間に上達。「コンバット」の小学生区分で全国優勝を果たし、中学2年生時には準Vの立役者に。さらに県外の強豪高校に進学後はインターハイ等で活躍し18歳以下の日本代表選手としてアジア大会へも出場を果たすなど、国内トップレベルの選手へと上り詰めた。
○…だが、大学進学後はそれまで「何より最優先」だった水球の位置付けが下がり「いつしか『楽しむ水球』に慣れてしまいましたね」とポツリ。それでも十分、成績は残したものの「楽なのが楽しい訳じゃない」という事を痛感したのだとか。「結局(水球は)辛くても楽しいですから」と求道者の矜持を語る。
○…辛さと楽しさの両面から競技を知り尽くしているからこそ、指導者としては「柔軟」といった印象。現役当時の人脈で、積極的に他クラブの流儀を取り入れた事も、今回の快挙の要因の一つになったのだとか。また県内に一つもなかった高校の水球部新設にも尽力するなど影響力は多岐に及ぶ。今後も新しい潮流を生み出すその双肩に、かかる期待は大きい―。
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