公益社団法人川崎市看護協会の会長に6月に就任した 堀田 彰恵さん 中原区在勤 60歳
現場主義で「精一杯」挑む
○…市民の健康づくりや母子・高齢者・障害者を支援する保健師として市内で35年働いてきた。看護協会会長の重責は「今までの知識と経験だけでは足りない。勉強しながら」と受け止める。都道府県以外で協会があるのは全国で川崎だけ。「訪問看護や地域包括ケア。あってよかったと思ってもらうため、きめ細やかに支援したい」
○…静岡県出身。看護学校を卒業して助産師として働いた後、神奈川県の保健師学校へ。資格を取り、20代半ばで川崎市役所に入庁した。駆け出しの頃に先輩に学んだ「地域に寄り添うこと」を最優先に、宮前・多摩・中原区の保健所で奔走。当事者らとともに失語症のリハビリグループや、子育て支援組織を立ち上げた。「地域に入り込んで課題を見つけ解決を支援する。あくまで住民を主体に。目に見えない働きだけどそれが保健師であり、やりがい」。定年までの14年間は本庁で虐待対策などに管理職として携わった。
○…仕事上のポリシーは「まずは行動」「失敗しても願い続けること」。多忙な日々でお笑い番組が息抜きに。「天性の妄想力で、そのネタ以上の世界を頭の中で膨らませてしまう」と笑う。課題解決のアイデアも「妄想力」が源だ。
○…家族を亡くし、「朝に紅顔ありて夕べに白骨となる」を心に留める。「仕事も人生も常に精一杯か。だらしない人間だが、そこだけは問うようになった」。末期がんや介護など様々な局面での生き方を見てきた。「皆が懸命に生きている。誰かのおまけの人生なんてない」と、出会いは価値観になった。会長を引き受けたのは、そんな経験ができた川崎への恩返しも込めて。まずは「看護現場に足を運んで情報を肌で感じたい」。培った現場主義で挑む。
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3月29日