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高津区 コラム

公開日:2021.12.10

不定期連載コラム
違っているから、おもしろい!
 第5回 「コミュニケーション」は言葉だけじゃない

  • 知的障がいのある人たちによるお芝居練習の一コマ。パントマイムを採り入れたことで演者の表情が生き生きと輝きを増す

 一般的に「価値観が違うとコミュニケーションは難しい」といわれます。確かに同じ日本語を使っていてもそう感じることはあるし、逆に異国の地で言葉が通じないのに「以心伝心」というのか、思いがけず気持ちが通じる場面もあったりします。



 コミュニケーションの方法は、言葉だけでなく、身振り手振りもありますし、耳の不自由な方達との「手話」は、見える言語とでも言えそうです。また、知的障がいのある方達にとって、こうした「身体を使う方法」は、とても雄弁な手段なのです。



「パントマイム」に感じた、無限の可能性



 私たちが長年手掛けている障がいのある方達とのお芝居のワークショップで、ひとつの発見がありました。発話が難しくとも、パントマイムを取り入れてみたら、彼らが実に生き生きとしてきたことです。パントマイムというと、見えない壁を手のひらを使ってそこにあるように見せるなどが有名ですが、手や顔の動きで見えてなかったものが存在してくるから不思議です。その方法をお芝居の中に取り入れたことで、出演者たちが顔の表情もそれにともなって生き生きとしてきた時に「これだ!」と思いました。さらに、そこに簡単な踊りも加えたりして、彼らが音楽にのせて気持ちが表現できるような工夫もしています。



 手話は、人の気持ちや考えをわかりやすく言語化するための手段かなと思いますが、そこにパントマイムが加わるともっと広がりが出てくるような気がします。踊ることは抽象的な表現を広げることができますし、パントマイムはより具体的な表現に近づくような気がします。それが障がいのある若者たちにとって、楽しく表現できる手段だという発見は、大きな収穫でした。人と人がつながる手段は、無限にありそうです。

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