高津区 経済
公開日:2023.09.22
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JFEスチールのシンボル「高炉」休止
跡地は脱炭素の拠点へ
川崎区扇島のJFEスチール東日本製鉄所京浜地区が9月16日、第2高炉の稼働を休止した。休止に先駆けて9月7日には報道関係者へ現場を公開。工場のある扇島地区の跡地利用の構想についても説明した。
JFEスチールは、1912(明治45)年に南渡田地区で日本鋼管川崎製鉄所として創業。以来100年以上にわたり京浜工業地帯の発展の一翼を担ってきた。現在の扇島には76年に製鉄所が完成し、第1高炉に火入れ。第2高炉は79年に稼働を始め、90年に一度は休止となるが、2004年に生産を再開した。
国内外の需要の減少を受け、同社は2020年に国内生産性の最適化を目的とした構造改革を発表し、製鉄所のシンボルともいえる高炉の休止を決めた。高炉のほかに、生産した銑鉄(せんてつ)の不純物を取り除き鋼にする転炉、鋼を片に加工する連続鋳造設備などが休止となり、解体される。
説明会で古米孝行所長は「100年以上にわたって灯し続けた火が消えてしまうのは残念でやりきれない思いがある」と複雑な心境を話し、「新しい都市型の製鉄所を目指し前を向きたい」と語った。
休止を受け福田紀彦市長は16日にコメントを発表。福田市長は、1936年に最初の本格高炉に火入れして以来、同社が市の発展とともに日本の経済成長を牽引したことを評価し、火が止まることについて「万感の思いと産業構造のうねりを感じ、雇用や地域経済など本市の諸施策に与える影響も非常に大きい」と述べた。400ha超の跡地は「カーボンニュートラルと新たな産業創出の同時実現を目指す」と展望。「市民が身近に、誇りを持てる土地利用転換を推進する」とした。
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