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高津区 人物風土記

公開日:2023.12.01

西高津中学校で行われた「みんなの作品展」に最高齢で参加した
川辺 千代子さん
久地在住 96歳

健康の秘訣「楽しみづくり」

 ○…西高津中学校で今秋、初めて行われた「みんなの文化祭」。地域の住民などが老若男女問わず出展出来るというユニークな企画に集まった作品はおよそ100点。中でも齢96にして切り絵と書道の力作を出展した最高齢者が話題を集めた。「昔の作品なのよ」と笑いながら話すが、切り絵を始めたのは70歳の時、腕に自信のあった書道は87歳の時に再開したりとその元気さには驚くばかり。「健康の秘訣は楽しみを作ること」と、笑顔で話してくれた。

 ○…今の楽しみは、近所の「いこいの家」で友達と話したり、趣味の書道を行う事。また「日記に嫌な事は書かない」「息子らや孫たちの誕生日に連絡する事を欠かさない」といった、ポジティブさを失わない秘訣を明かす。今年一番の思い出は、コロナ禍明けに久しぶりに息子らの家族、約30人が集まり皆で一緒に多摩川の花火を観賞できたこと。「嬉しかった」とニッコリ。

 ○…鹿島田出身。5歳の頃から、父が趣味で習字を習っていたことから、仕事終わりで教えてもらい「楽しかった」と当時を振り返る。上達も早く小学校の書道の作品展でも金賞を受賞。校長が校長室に掲出し、来客に自慢していた程の腕前だった。20歳の時、勤めていた会社は空襲で焼かれ、自身も防空壕に避難。翌年終戦となり、結婚し、4人の子供の育児に励んだ。70歳の時に友達に誘われたのがきっかけで前出の切り絵に挑戦した。初めて作品は川辺家の家紋。散歩の時に創作意欲が湧くことが多く、季節の花々や、かつては二子新地を歩く芸子さんなども切り絵のモチーフにしたのだとか。

 ○…思い出を大切にするため日記を綴るように。「来年も多摩川の花火を見たい」と楽しみな目標を話してくれた。

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