神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

区民との交流 さらに継続 麻生区・山本区長に聞く

社会

公開:2025年1月10日

  • X
  • LINE
  • hatena
質問に答える山本区長
質問に答える山本区長

 本紙では、山本奈保美麻生区長(59)に恒例の新春インタビューを行った。山本区長は、市制100周年を迎えた2024年を振り返るとともに、25年のテーマに「続」の一文字を掲げ、100周年のレガシーの持続や公共事業など、継続の重要性を述べた。    (聞き手/本紙・山本浩史)

 ――市制100周年という節目の年でもあった2024年を振り返ってください。

 「市全体が歴史的な節目を迎え、盛り上がった一年でした。麻生区でも4月以降、川崎市を『知って、関わって、好きになっていただく』というコンセプトのもと、さまざまな団体、企業、区民と連携して記念事業に取り組んできました。麻生区の地域資源を活用し、グリーンツーリズムや新百合ヶ丘駅周辺での花と緑のオブジェの展示などを実施しました。地域の皆さんのまちづくりに対する熱い思いの積み重ねが今の麻生区の発展につながっているということを、この100周年を機に学びました。一方、昨年の元日に能登半島地震が発生し、区からも職員21名が現地へ派遣されました。私たちも自分事として捉え、能登の教訓も踏まえ9月の市総合防災訓練に向け準備していました。台風の影響で中止になってしまいましたが、避難所を開設し、今後の避難所運営の在り方や災害対応について教訓を得られました」

 ――昨年7月、「麻生区・大学公学協働ネットワーク」に関する協定が結ばれ昭和音楽大学、玉川大学、田園調布学園大学、日本映画大学、和光大学に多摩大学が加わりました。進ちょく状況と展望は。また4月に麻生ソーシャルデザインセンター(あさおSDC)が開設しましたが、今後への期待は。

地域を知り、つなげる

 「新たに参加した多摩大学は『マチカドこども大学』を実施し、小学生に探求型の学びを提供しています。また、NPO法人が昭和音楽大学、田園調布学園大学、和光大学、明治大学と市制100周年記念ワイン造りに取り組むなど、他の大学に関しても昨年は公学だけでなく地域団体との連携など多様な広がりを見せました。あさおSDCは、10代から80代まで30名以上のメンバーが、イベントに出向き、地域活動の相談窓口や町会・自治会の夏祭りの活動支援をするなど、地域での認知度を高めています」

 ――「長寿日本一」の麻生区。区としての今後の取り組みや課題は。

 「令和5年に厚生労働省から平均寿命日本一と公表され、だいぶ浸透してきたと感じます。区では健康寿命の延伸に向けて、高齢者だけでなく子どもの頃からの良い生活習慣の定着や働き盛り世代の生活習慣病予防の重要性を認識してもらえるよう各ライフステージに合わせた取り組みを行っています。また、昨年は『あなたが「幸せ」を感じる時』を区民から募集するなど、精神面と身体面から健康づくりを進めました。一方、麻生区は高齢化率が7区で最も高く見守りなども必要です。独居の高齢者を見守る機能もある町会・自治会の加入率は低下傾向で民生委員児童委員にも負担がかかっています。地域活動に参加したことがないという人が3割程度いるという調査結果もあり、そうした方に地域とのつながりをいかに持ってもらうかが課題です」

 ――防犯や防災についての取り組みは。

 「区では令和5年10月に『わんわんパトロール』を開始し、昨年11月末現在で201名に登録いただいています。『麻生セーフティメール』では犯罪情報を提供し、約6100人の登録者数があります。防災面では、自助に力を入れていきたいです。昨年実施した区民アンケートでは家庭内での3日分以上の食料・飲料の備蓄割合は50%前後、携帯トイレは30%程度でした。災害時は行政が全てをカバーするのは難しく、皆さまの備えが重要です。災害への備えを改めてお願いします」

 ――麻生区は今年、どんな年になりますか。

 「年度中は市制100周年記念事業が続き、麻生区では2月1日・2日(土日)、『あさおの川崎100周年祭』と題し、区役所一帯で一大イベントを実施します。イベントでつながった団体や区民が活動を継続し、連携していけるよう区として支援していきたいです。地域包括ケアシステムの構築については、予防的視点に重点を置き、多様な主体と連携し支援する仕組みづくりを進めます。地域活動が盛んになれば生きがいづくりや介護予防にもつながり、福祉分野でも生きてくると思います。そのきっかけをつくるためにも、地域でどんな人たちが活動しているかを私たちが把握し、掛け合わせていくことが重要だと思います」

 ――最後に区民へメッセージをお願いします。

 「区民のニーズを知るには私たちが今まで以上にまちへ出て皆さんと汗を流し、肌感覚で感じることが重要です。皆さんとフラットに意見を交わし区の取り組みに生かしていければと思います」

「続」の文字を掲げる山本区長
「続」の文字を掲げる山本区長

多摩区・麻生区版のトップニュース最新6

研究成果 米国で発表

生田高校科学部

研究成果 米国で発表

平瀬川の水質 代々調査

6月20日

地域で支えて50回

多摩区有志食料無償配布

地域で支えて50回

学生から対象広げ

6月20日

再整備に大和ハウスら16社

川崎市北部市場

再整備に大和ハウスら16社

約604億円で落札

6月13日

韓国から視察団

新百合ヶ丘まちづくり

韓国から視察団

都市景観などに関心寄せ

6月13日

「言葉超えた多文化交流」

「言葉超えた多文化交流」

生田緑地で国際フェス

6月6日

バレエ米登竜門で1位に

はるひ野小寺田さん

バレエ米登竜門で1位に

強い精神力を武器に

6月6日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

多摩区・麻生区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

多摩区・麻生区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年6月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Facebook