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公開日:2026.01.01

麻生区岡上
地域に根付く馬頭観音
古今をつなぐ文化財

  • 上から川井田地区、関地区、丸山地区の馬頭観音

    上から川井田地区、関地区、丸山地区の馬頭観音

 2026年は午年。麻生区岡上には川崎市地域文化財の「古文書」や「歴史資料等」があり、その中に地域の人たちに親しまれているという「馬頭(ばとう)観音」が含まれている。全国的に点在し、土地の開発などで場所を変えているものも多いというが、岡上はほぼ同じ場所にあり続けている。地域に根付いた馬の観音様に着目する。

 馬頭観音とは、頭上に馬の頭を乗せ、恐ろしい憤怒の相をした、災いを打ち砕く観音菩薩。後には、馬の供養や無病息災の願いを込めて建てられるようになった。

 岡上では昭和の中期まで、農耕のために農家で馬を飼っていた歴史があり、田んぼを耕し物を運ぶのに馬が重要だった。

 岡上では3カ所に建立されている。川井田地区にある馬頭観音は石柱のみからなるもので、正面に「馬頭観世音」と文字が刻まれている。地域の歴史的資料の保存などに取り組む岡上郷土誌会によると、「明治27(1894)年に飼い馬の供養や無病息災の願いも込めて建てられたと思われる」という。

 「本村橋(関地区)の馬頭観音は天保10(1839)年に岡上村の馬を所有していた人々『馬持講中』により、運送業務や農作業の繁栄・安全を祈願して建てられたと思われる」と説明する。正面に、馬頭観音像が彫られている。元は本村橋の脇にあったが、鶴見川の河川改修工事に伴い、30m上流の現在の場所に移された。現在も地域の人から「関の馬頭観音」として親しまれている。

 丸山地区の馬頭観音は、「岡上小学校北」の信号付近にある。石柱のみからなる形式で、正面に「馬頭観世音」と文字が刻まれている。

ほぼ同じ場所に

 多摩区・麻生区をはじめ、各地に馬頭観音は存在するが、「岡上は大規模開発をしておらず、ほぼ同じ場所にあり続けている。昔から住んでいる人が残っていて、地域当番として花を手向けているところもある。そのため、生活の一部として、地域で親しまれているのだと思う」と、同会事務局長の石井よし子さんは話す。

 同会は、2017年に市が創設した川崎市地域文化財顕彰制度をきっかけに、岡上で昔から現在までつながれてきたものを改めて見出そうと調べ直し、19年から申請活動を始めた。同文化財には岡上からも数々の古門書や歴史資料などが決定している。そのうち馬頭観音は、21年11月1日に決定した。「全国的に多く残っているが、地域で大事にしているから文化財に決まったのだと思う」と石井さんは話した。

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