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公開日:2023.09.15
日医大武蔵小杉病院
震災想定し初のヘリ訓練
搬送時も素早い連携
日本医科大学武蔵小杉病院(谷合信彦院長)が川崎市と連携し、ヘリコプターを使った患者の搬送訓練を9月5日に初めて実施した。関東大震災から100年を迎え、大規模災害に対する対応力の向上などが目的。関係者ら58人が参加し、緊急時の実践に即した患者の搬送作業を確認した。
ヘリコプターで搬送が必要となるケースは、災害で交通網が麻痺し緊急車両が通行できない場合や、東京と横浜をつなぐ橋が崩れ、交通遮断が生じた場合など。この日の訓練では、区内の災害現場から同院への患者の受け入れと、入院患者の転院を想定し実施。約20キロ離れたある東京ヘリポート(東京都江東区)内の川崎市航空隊基地から同院までを約10分で飛行し、搭乗していた患者をストレッチャーで屋上エレベーターホールまで搬送。同院の医師と看護師が病院ストレッチャーに患者を乗せ、エレベーターまで運び込んだ。一方、転院搬送は、ヘリコプターに乗る動きや流れの要領を得るため、入院患者を航空隊のストレッチャーに載せ替え、機内に搭乗させ、離陸まで約5分で終えた。ヘリコプターには、往復路で別々の同院医師と看護師が乗り込み、狭いヘリコプター内での応急処置などの動きの確認をした。
今回の訓練を終え、谷合院長は「病院のヘリポートが十分活用できることが立証された。一方、同院のある小杉は高層建物が多くビル風が強いため、ヘリの安全性に課題もある。地域との関係も強めながら定期的に訓練を重ね、最終的には病院職員だけで対応していけるようにしたい」と話した。
「離着陸対応」市内で7病院
緊急用のヘリコプターが離着陸できる場所を持ち合わせた病院は市内で7カ所。谷合院長は「私立病院と川崎市が垣根を越えて一緒に対応する第一歩となった。これを機に連携を強め、地区の安全を守っていきたい」とした。
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