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柿生文化を読む シリーズ「鶴見川流域の中世」 源頼朝の嫡男誕生に鳴弦の役を果たした師岡重経【1】文:中西望介(戦国史研究会会員・都筑橘樹研究会員)

掲載号:2021年8月6日号

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図鳴弦「来たの天神神縁起」『日本常民生活絵引より転載
図鳴弦「来たの天神神縁起」『日本常民生活絵引より転載

 保元の乱の顛末を描いた『保元物語』には、源義朝に従った各地の武士の名前が列記されている。ことに武蔵国では武蔵七党と呼ばれた児玉、猪俣、村山、西などの武士団ごとに多くの武士の名前が書き挙げられているが、その中でひときわ目を引くのは高家と書かれた秩父平氏の河越・師岡である。高家は「党の者ども」と呼ばれた武蔵七党とは区別された別格の家柄を指している。河越氏と並び高家と称された師岡氏とはどの様な武士であろうか。

 師岡氏は鶴見川下流にある師岡を本拠地とした武士である。師岡は古代の久良岐郡師岡郷に由来し、現在の横浜市港北区師岡町はそれを継承されたと見られる。寿永二年(1183)の源頼朝寄進状で、鶴岡八幡宮に「武蔵国師岡保内大山郷」が寄進されており、この大山郷は鶴見郷の別称と見られている。貞治六年(1367)沙弥至中所領譲状案に「武蔵国師岡保小帷郷内名田在家等地頭職」と見え、小帷郷は保土ヶ谷区小帷町に比定される。応安元年(1368)洲崎明神社に奉納された梵鐘銘に「武蔵州師岡保青木村洲崎大明神(以下略)」と見え、青木村は神奈川区青木町に比定されるので、師岡郷・鶴見郷から青木村・小帷郷に至る広い範囲に師岡保が成立していたことがうかがえる。鶴見川と江戸湾の水上交通を活用できる地理的位置にある師岡に着目して河越氏は一族を送り込んだのであろう。

(つづく)
 

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