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川崎区・幸区版 公開:2022年1月1日 エリアトップへ

木下卓球アカデミー1期生 張本美和選手に聞く 人として、選手として勇気与える存在に

スポーツ

公開:2022年1月1日

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人として、選手として勇気与える存在に

 世界で活躍できる選手の育成を目的に昨年4月、木下グループ(東京都/グループCEO・木下直哉)が川崎区藤崎に開校した「木下卓球アカデミー」。その1期生として、張本美和選手(13)が入校。日々、練習場で汗を流している。先月、ポルトガルで開催された世界ユース卓球選手権大会U―15では、圧巻の4冠(団体、シングルス、ダブルス、混合)を成し遂げた。

 美和選手は東京五輪卓球男子団体銅メダルの立役者、張本智和選手の妹としても知られる。兄への思いや、今年の目標、川崎での生活について話を聞いた。

◇ ◇ ◇

 国際大会でも数々の成績を収める張本選手。昨年4月発表の世界ユースランキングU―15では女子シングルス1位となるなど成長は目覚ましい。張本選手は自身の強みを「攻めるプレー」といい、「今は特に両ハンドのドライブやチキータ(卓球の技術のひとつ)を練習している」と話す。同アカデミーの渡邊隆司監督は「身長も高く、恵まれた体格。パワーを生かしたバックハンドなどは技術が高い」と評価する。張本選手は「どの技術も精度を上げてオールラウンドで戦える選手になりたい」と貪欲さを見せる。

 そんな張本選手だが、挫折もあった。小学生時代、全日本で2年連続準優勝に終わったことを振り返り、「どうしたら勝てるのか全く分からなくなってしまった」と唇を噛む。停滞期を脱したのは、これまで積み上げた練習があったからこそ。「頑張ってきたんだから大丈夫と気持ちを切り替えた」。徐々に持ち直し、試合にも勝てるようになった。

兄は選手として憧れ

 卓球一家で育ち、兄は五輪選手という環境で育った張本選手。卓球は2、3歳の頃あそび感覚で始めたというが、成長するほどに兄の成績と比べられることも増えた。「自分は自分。あまり気にせず日々努力して経験を積み重ねていくだけ」とまっすぐ前を見据える。「兄は負けず嫌いなので、あまりアドバイスなどはありません」と笑いつつも「一人の卓球選手として憧れの存在」と力を込める。

 兄・智和選手の指導経験もある渡邊監督は、2人の共通点を「意思の強さ」という。「強くなりたいという思いで、とても高い意識で練習する。集中力の高さはすさまじい」と話す。

川崎で「普通」の中学生活も満喫

 張本選手はアカデミー入校を機に川崎区に転居。昨年4月からは地元の市立川中島中学校に通う。知り合いが全くいない状況に、不安もあったというが、「周りの友だちは自分のことを『普通の人』として接してくれてうれしかった」と顔をほころばせる。

 同中学校では、月曜日以外は部活動にも励む。その後は平日5時間、土日は6時間半ほどアカデミーでの練習をこなす中でも「課題もテストもたくさんあるけどみんなと一緒。勉強も部活もしっかり頑張らないと」と自身を奮い立たせる。

 学校、部活、アカデミーと3足のわらじを履く生活で、街に足を運ぶ機会は少ないが、お気に入りのスポットとしてラゾーナ川崎をあげる。「先日、全国中学校卓球大会(昨年8月/日環アリーナ栃木で開催)の優勝のお祝いでネックレスを買いに行きました。お店がたくさんあってびっくり。なかなか時間はないけど、市内のいろいろなお店に行ってみたい」と目を輝かせる。渡邊監督は「おしゃれにも敏感。アクセサリーやピンなども可愛らしいものをつけてますね。Tリーグの先輩たちからも影響を受けているのでは」と目を細める。

 練習の合間にはダンスを踊る姿も。「韓国の女性アイドルグループが好きで。TWICE、ITZY、aespaをよく聞いて踊っています」と中学生らしい一面も。「アカデミーの地下にカラオケがあり、昼休みにはよく歌って発散している」と渡邊監督。

ロス五輪 金めざし

 今年の抱負に「全日本ジュニア優勝」を掲げた張本選手。「全日本ジュニアは3年連続で4回戦で負けています。今年こそは優勝したい」と、1月末の同大会に向け士気を高める。

 また、将来目指す選手像について「卓球選手としても、1人の人としても勇気や感動を与えられる人になりたい」と話す。「まずはパリ五輪出場、その次のロサンゼルス五輪で金メダルを獲りにいきます」と力強く語った。

練習中は気迫あふれる姿も
練習中は気迫あふれる姿も
人として、選手として勇気与える存在に-画像3

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