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相模・城山宮ヶ瀬ダム ダムアワードを初受賞 総合運用で渇水乗り切る

社会

公開:2018年3月22日

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賞状を手にする池田所長(右から4番目)のほか、企業庁の職員、選挙委員会のメンバーなど
賞状を手にする池田所長(右から4番目)のほか、企業庁の職員、選挙委員会のメンバーなど

 ダムファン有志などが、その年に最も印象に残る働きをしたダムを表彰する「日本ダムアワード2017」で、相模ダム(相模湖)・城山ダム(津久井湖)・宮ヶ瀬ダム(宮ヶ瀬湖)で構成する相模川水系の総合運用が「低水管理賞」を受賞した。同水系の受賞は今回が初めて。関係者は「総合運用する日頃の取組みが評価され光栄です」と受賞を喜んでいる。

 日本ダムアワードは、「ダムファンによる、ダム版アカデミー賞」として、有志の選考委員会がノミネート。プレゼンテーションでは、150人を超える愛好家たちが集い、観客も含めた投票で受賞ダムが決定する。第6回となる2017年のダムアワードは昨年12月に行われ、ダム大賞、放流賞、低水管理賞、イベント賞、洪水調節賞が選ばれている。

 この中で、相模ダム・城山ダム・宮ヶ瀬ダムで構成する相模川水系の総合運用が受賞したのは「低水管理賞」。低水管理とは渇水時でも水道用水など必要な水が利用できるように管理・運用することだ。

3ダム連携で効率的に運用

 相模ダムと城山ダムの貯水量は各々4千820万㎥、5千120万㎥で、宮ヶ瀬ダム1億8300万㎥と比べ、2ダム足しても宮ヶ瀬の貯水量には及ばない。しかし、双方のダムの集水面積は神奈川・山梨県にまで及び、宮ヶ瀬の10倍以上で水が貯まりやすい。そこで、普段から相模川・道志川の導水路(相模川導水)を通じて、貯水量の多い宮ヶ瀬に貯めておき、相模・城山ダムの水が足りなくなった時に、2ダムに水を供給する「総合運用」に取り組んでいる。

 相模ダム・城山ダムを管理する県企業庁相模川水系ダム管理事務所によると、昨年の県内の1月から7月は降水量が少なく、中でも梅雨の時期の降水量が、1977年以来最低値を記録。過去10年の平均雨量の約41%と記録的な渇水状況となっていた。その影響で、8月には3ダム合計で貯水量が1億2386万㎥、貯水率56%台に落ち込むなど、2001年の宮ヶ瀬ダム建設以降過去最低の貯水率を記録した。こうした中でも、3ダムが連携することで、一般家庭での断水などを起こすことなく、危機を乗り切った。この総合運用の実績が評価され、今回のダムアワードを受賞した。

 同事務所の池田雅夫所長は「相模・城山は県、宮ヶ瀬は国と管理は違いますが、それぞれのダム間で毎日連絡を取り合い、効率的な運営を心がけて取り組んでいます。そうしたことが評価されたことは、大変嬉しく誇りに思います。今回頂いた受賞を通じて、我々のダムの役割を地域住民の方々に知ってもらえるきっかけにしてもらえれば」と話した。
 

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