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相模煙火店出頭さん夫妻 「観客の喜びがやりがい」 地元花火師 駆けた40年

文化

掲載号:2018年8月23日号

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花火玉を手に笑顔の義紀さん(左)、晴美さん。手前は打ち上げ筒=20日、緑区大島の同店事務所にて
花火玉を手に笑顔の義紀さん(左)、晴美さん。手前は打ち上げ筒=20日、緑区大島の同店事務所にて

 市の一大イベント「相模原納涼花火大会」がいよいよ今週末8月25日(土)に開催される。毎年40万人ほどの人出でにぎわう会場には今年も約8000発の花火が打ち上がる予定で、花火の打ち上げは煙火店3社が担当する。当日の花火大会を前に本紙では、市内で唯一担当にあたる「相模煙火店」(緑区大島)の出頭(しっとう)さん夫妻に花火師の仕事や花火大会の舞台裏などについて話を聞いた。

 同店を営むのは出頭義紀さん(62)、晴美さん(60)夫妻。二人は田名中学校の教員を務めていた中で知り合い、後に結婚。その際、晴美さんが花火師の娘であり同職の有資格者であることを知った義紀さんは、仕事に携わった縁から自身も花火師の道をたどることに。現在は二人のほか、「従事者手帳」を持つ従事者15人ほどが手伝う形で業務にあたっている。

 義紀さんによると、花火師の業務は大きく2つに分かれるといい、一つは実際に火薬で花火を作る業務、そして、花火を仕入れて受渡しや会場で打ち上げを行う業務の2つ。相模煙火店では後者を担当しており、製造会社から仕入れた花火玉や打ち上げ薬などを、特注の火薬庫外貯蔵倉庫で保管している。

打ち上げ後は「高揚感」

 同店の業務は、まず大会主催者などから依頼を受け、日程や会場、予算に応じた花火玉の選定などを打ち合わせ。その後、花火玉を入れる打ち上げ筒を当日会場にセットし、打ち上げ後、後片付けや安全確認までを行うのが一連の流れとなる。打ち上げは今でこそ配電盤を用いた電気点火が主流となっているが、出頭さん夫妻によると、かつては「落とし火」などと呼ばれるマッチのようなものを直接打ち上げ筒に投げ入れる「直接点火」の方式を取っていた。危険な作業が伴う花火師の業務だが、実際に打ち上げが終わった後は「無事に終えた安心感」や「高揚感」で満たされるという。一方、打ち上げ前には必要以上に水を飲んだり、何度もトイレに行ったりと、この道30〜40年の二人でも「無事に終えるまでは今でも落ち着かない」と胸の内を明かしている。

 花火師の醍醐味について義紀さんは「観客の喜ぶ姿が何より嬉しい」と目を細める。今週末行われる相模原納涼花火大会では、開催当初から打ち上げを担当。その魅力を「臨場感」と語る義紀さんは「打ち上げ場所と観客席がこれほど近い花火大会はなかなかない。今年は新作もあるのでぜひ楽しみに足を運んでほしい」と呼びかけた。

役目を次世代に

 現在では花火師の数も減り、市内でも数えるほどに。加えて時代の変化に伴い、打ち上げ場所や花火大会の開催自体も制限されてきた。二人は「伝統文化が無くなっていくのは寂しいし、花火を通して情操や心を育んでもらいたい。花火に携わってくれる方が増えるように次世代に引き継いでいくのが自分たちの役割」と力を込めた。

 第47回相模原納涼花火大会は25日、相模川高田橋付近で開催される。

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