さがみはら中央区版 掲載号:2018年11月1日号 エリアトップへ

絵本作家としてこのほど、相模原市立図書館で講演会を行う 西村 繁男さん 緑区吉野在住 71歳

掲載号:2018年11月1日号

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描き続ける「日常の尊さ」

 ○…日本の歴史を市井の人々が生活する様で紡ぐ「絵で見る日本の歴史」で第8回絵本にっぽん大賞を獲得するなど数々の賞を受賞。高校の先輩の影響でイラストレーターから絵本の世界へ転身し、これまで約40冊を手掛けてきた。多くの作品は俯瞰した構図の中で何気なく生活する人々の姿を鮮やかに描く。「人も物も多様な存在が共存できることが大切」とし、その尊さを投げかける。

 ○…「人との出会いで作品は変化してきました」。中でも、被爆者として広島で語り部活動を行う佐伯敏子さんとの出会いは特別だった。20代で出会い、佐伯さんの平和への強い思いに触れ「原爆」を主題に絵本の制作を決意。共作者と8割を完成させ、佐伯さんに見せるも「まだ出すのは止めましょう」と一言。「当時は広島に行ったことがなく、佐伯さんは現地に行く事を求めていた」。その後、一時的に広島に移住し徹底した取材を敢行。時には平和記念公園で修学旅行生に交じり語り部の声に耳を傾けた。そして「絵で読む広島の原爆」が完成。着想から15年の年月を要した。「佐伯さんに書かせてもらった作品。表面的な『平和』を題材に作品は作れないと心に刻みました」

 ○…生まれは高知県。進学と共に上京し、藤野地域には30年前に移住。芸術家が多く暮らす地域で芸術行事にも参画し、自治会長も務める。「好きなことを自由にできるのがこの街の良さ」と「藤野ライフ」を満喫する。

 ○…古希を過ぎてなお、創作への意欲は衰えず、各地のお祭りを描いた新作の出版も控える。その中では福島第一原発の影響で避難を強いられた浪江町の人々の様子も収めた。「何を書いても、いつも行き着くテーマは変わらない」。人々の生活が織り成す「日常」に光を灯し続ける。

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