相模原を練習拠点とする町田市鶴川在住の塚田侑希さん(桐光学園高校3年)が、8月16日から川崎グランドボウルで開催される「第45回全日本高校ボウリング選手権大会」に神奈川県代表として出場する。高校生から競技を始め、今年3月にはU―18日本代表にも選ばれた実力者が初優勝をねらう。
挫折がきっかけに
小学生からクラブで硬式野球に取り組み「桐光で甲子園に行きたい」と思っていた。しかし、桐光中2年のとき、けがで続けられなくなった。大好きな野球を辞めることになり大きな挫折を味わったが、高校生になり、友人と町田市内のボウリング場に遊びに行ったことが転機となった。
最初は週1回、相模原エリアのボウリング場で遊ぶ程度。通ううちにスタッフの助言もあり、動画投稿サイトで技を見ながら研究するなど、段々とのめり込むようになった。初めて大会に出場したのは高校1年の時。所属する相模ファーストクラブのメンバーと出場した大会で県4位入賞の好成績を収めた。「80代の男性と組んだのですが今でも勉強になることが多い」と、そのメンバーは今も尊敬するボウラーの一人だ。今年に入ると、神奈川県の連盟推薦で日本代表選考会に参加し、全日本ユースナショナルチームのメンバー入りを果たした。
上達のカギは野球
練習時には選定したマイボール6個を持参し、レーンのオイル量やピンの位置によって使い分ける。重さ15ポンド(約6・8キロ)のボールに指を入れる穴は2つ。投球は「両手投げ」。練習法は、毎回1つの目標を立て、動画撮影も取り入れながら課題をクリアしていくこと。競技歴は浅いが「野球で鍛えた体幹や体力がボウリングでも生きている。何ゲーム投げても全く疲れない」と笑顔を見せる。
地元だけでなく埼玉方面へ出向き、プロのレッスンを受けることもある。送迎などでサポートしてくれる家族には「野球で甲子園には連れていけなかったけれど、全国出場や日本代表になれたことで恩返しできたかな」。学校では、「大会で公欠するとクラス中から『遊びでなぜ』と思われていたが、日本代表に入ってからすごく応援してくれる」と後押しも。成長を見守ってきた相模ファーストレーンの榎本浩也支配人は「ナショナルメンバー、相模ファーストクラブのメンバーとしても、ぜひ優勝めざしてがんばってほしい」とエールを送った。
全国から約160人が参加を予定する選手権大会。「まずは予選通過。日本代表に入って周りからの目線も変わっていると感じるので、クリアしたい」と目標を語る。
予選で9ゲーム投げ、28人で争う決勝戦に進むには、平均スコア230は必要だ。高校生最後となる大会。「優勝を飾りたい」と一投に集中する。
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