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さがみはら中央区 社会

公開日:2021.12.16

「全ての創作者の力に」
執筆ツール「Nola(ノラ)」を提供するindent代表・釜形勇気さん(27歳)

  • インタビューに答える釜形さん

  • Nolaはこちらから

 「物語を描く全ての人を支援する編集ツールを」。その思いから2019年に小説の執筆をサポートするツール「Nola」を地元・相模原から立ち上げた。

 同ツールは開設からわずか3年で、利用者が20万人を超えた。創作の一番の楽しさは「自分の頭で考えた物語を人に伝えること」。作り手のハードルを下げて、より多くの人に小説に親しんでもらえるよう、精力的に活動を続ける。

「創作の楽しさ伝えたい」

 元々読書好きで、本は常に身近な存在。「こんな主人公や、ストーリーの本があったら面白いな」と想像するのも大好きだった。小説を書き始めたのは大学生の頃。理系の学生だったが、「自分が考えたものを小説にしたい」と思い至り、創作活動を始めた。

 作家仲間との交流の中で、物語の構成を意味する「プロット」の管理が難しいとの話題が度々耳に入ったところから着想を得て、「Nola」を開設。原稿の執筆、参考資料の保存、プロットの作成など、作家視点で便利な機能を存分に盛り込み、間口を広げるために基本機能は無料で利用できるようにした。「創作の楽しさが、より多くの人に伝わればいいなと」

短編限定の投稿サイト

 活字離れが叫ばれる昨今だが、同サービスの利用者の40%は10代から20代の若者だ。「自分たちもこんなに若い人が多いとは衝撃だった。でも若い書き手がいるのだがら、作品をどう届けるかを考えたい」。そこで、今年2月には2000字の文字制限を設けた短編作品専門の投稿サイト「Prologue─プロローグ─」も開設。3分程度で読める短いものから小説を楽しんでもらい、作家のファンも創出するねらいだ。

 加えて活躍の場を増やすために、自分の作品を電子書店に出版できる電子書籍の出版管理サービス『Nola出版』もリリース。「より多くの読者の目に届いてほしい」

文芸賞を創設

 今年9月にはTSUTAYAなどと共催し、「次世代作家 文芸賞」を創設。大賞作品には出版と、全国約800店舗を構えるTSUTAYAでの販促も確約した。「賞を取って終わりではなく作家さんの宣伝とファンをつくり、次につなげる。そういう流れを作りたい」と熱を込める。

 文芸賞だけでなく講師を招いての講座など、作家の育成にも力を入れる。アニメや映像制作を専門にする大学にもサービスを提供し、学生の創作活動も支援する。

 今後は漫画やアニメ、映画などの原作となり得る作品を出版社や各メディアなどに紹介するマッチング事業も展望。「将来Nolaのサービスを利用した作家さんから、大ヒット作が生まれたらうれしい。それがモチベーション」と笑顔を見せる。

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