JR淵野辺駅北口前の一般車ロータリーがおよそ900株のマリーゴールドによってオレンジや黄色に染めあげられている。9月21日に定められている「世界アルツハイマーデー」に合わせて認知症への理解を呼びかけようと、シンボルカラーであるオレンジになるよう植栽したものだ。
花壇を整備しているのは、放課後等デイサービスなどを運営する日本福祉リレーションシップ協会、精神障害がある人を受け入れる由野台の地域活動支援センター「第3けやき」、明治安田生命淵野辺営業所のいずれも中央区内で活動する3団体。それぞれが地域貢献のために活動を始め、市まち・みどり公社から花苗の提供を受けて植栽している。
マリーゴールドを植えようと発案した日本福祉リレーションシップ協会の鈴木健一理事長は、認知症が進む母の介護をする当事者だ。以前より淵野辺駅周辺エリアでは、認知症になっても安心して暮らせる街づくりを目指して多くの啓発イベントが実施されている。度々参加していたという鈴木理事長は、「花壇をオレンジ色にきれいにしたら地域の人に喜んでもらえるかなと思って」と、第3けやきと明治安田生命の2者に呼びかけ、5月頃から色や花の形が異なる5種類のマリーゴールドを植えて準備を進めてきた。
地域と交流も
今年から活動に参加している第3けやきはロータリーのカシオペア通り側を担当。スタッフのほか精神障害がある利用者と共に週に一度、花壇の手入れをしている。これまでは背の高い雑草が生えていた花壇をきれいにするため、植栽に関する講演会に足を運んで勉強したり、麻布大学から提供を受けた堆肥を使って土を耕したり一生懸命に取り組んできた。
「夏の暑い内は作業が大変だったの」「殺風景で何もなかったところに花が咲いてよかった」と、満開の花々を前に利用者からは笑顔がこぼれる。作業中に通りがかった人からねぎらいや感謝の言葉をかけられ、交流が生まれることも。施設長の山田龍さんは「利用者さんのやりがいや自信につながっていて、良い効果が生まれている」と話した。
マリーゴールドが見られるのは9月24日(土)まで。鈴木理事長は「多くの人に見てもらい、認知症について知るきっかけになれば」と呼びかけている。
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