機織り職人として活躍し、大島紬の継承に注力する 中川 裕可里さん 相模原在住 34歳
機織りで恩返しを
○...伝統技術を継承しようと、市内のアトリエで奄美大島独自の絹織物「大島紬」の機織りに取り組んでいる。「大島紬は一度織って染めて、ほどいてからもう一度織る。緻密な計算で柄を表現している」。大島紬の魅力を幅広い世代に伝えようと、ブランド「―TSURU(つる)―」を立ち上げ、ハンドメイドのアクセサリーや小物の販売も行っている。こだわりは、丁寧に心を込めて世界に1つだけの作品を届けること。「若い方にも『可愛い』と思ってもらえるような作品を」
○...生まれも育ちも相模原。幼い頃から、手芸などの細かい作業が好きだった。社会人になって着付け教室に通っていた時、祖母に借りた大島紬の着物の軽さに驚き、虜になった。「機織りをやってみたい」と23歳で単身、奄美大島に移住。約3年半の修行で養成所や工房に通い、大島紬の技術や知識を叩き込んた。「織りやすさは天候や湿度にも左右される。大島紬の繊細さを肌で感じた」と振り返る。
○...おおらかな島の人たちと接し、「自分にも人にも寛容になった」と微笑む。慣れない土地で鍛錬する中、心の支えになったのは食事。「おばあちゃんたちが作ってくれる煮物がすごくおいしかった」。現在も、奄美大島の料理を提供する都内の飲食店に勤務している。何事もまずは挑戦することを大切にしており、「やらないで後悔するより、やって後悔」と前を向く。
○...「―TSURU―」のブランド名は、「鶴の恩返し」にちなんでつけてもらった「つるちゃん」というあだ名から。「応援してくれた人に恩返ししたい」という思いも込めている。「関東で大島紬を広めたい。現地に移住しなくても、大島紬を学べる養成所が作れたら」と夢を描く。
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