神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

市内の弁護士衣刀信吾さん ミステリー新人賞受賞 評議室テーマにリアリティ

文化

公開:2024年11月28日

  • X
  • LINE
  • hatena
市内の法律事務所で取材に応じた衣刀信吾さん
市内の法律事務所で取材に応じた衣刀信吾さん

 第28回日本ミステリー文学大賞の新人賞に市内で法律事務所を経営する弁護士で、日本弁護士連合会の副会長でもある衣刀信吾(いとうしんご)さん(本名=伊藤信吾さん、相模原市在住)の作品が選ばれた。今月1日に一般財団法人光文文化財団が発表した。

 同賞は新しい才能と野心にあふれた新人作家の発掘を目的とするもので、応募総数205編の中から衣刀さんの作品『午前零時の評議室』が選ばれた。月村了衛さん、辻村深月さん、湊かなえさん、薬丸岳さんが選考委員を務めた。

 評議室とは裁判員裁判において議論が行われる場所。同作品では、裁判員に選ばれた主人公の大学生が通常の裁判員裁判とは異なる異例の事態に直面する。裁判や事件が身近な弁護士だからこそ書けるリアリティのある作品になった。

 架空の地名を物語の舞台にしているが、相模原市民がよく知る場所が登場するという。

きっかけはコロナ禍

 「ドキドキ感が好き」。衣刀さんは幼い頃からミステリー小説を好んで読んでいた。

 小説家を志していたわけではなく、コロナ禍で時間に余裕ができた際に小説を書き始めた。弁護士として数々の文書を作成してきたので文章を書くことへの抵抗はなかった。インターネットなどで小説の書き方を大まかに調べ、最初に書いた作品が同賞の最終選考に残った。

 それから3年連続最終選考に残り、今年初めて新人賞を受賞した。「今年は年齢的にも最後のチャンスかもしれないと思っていたので嬉しかった。原稿用紙500枚ぐらいあるので書けただけでも嬉しい」

 弁護士でもある衣刀さんは電話がかかってこない早朝に原稿を書くことが多い。早いときでは午前4時台から原稿に向かうこともある。

 今年は1月頃に原稿を書き上げ、ゴールデンウィーク明けの締め切り日までおよそ4カ月かけて推敲した。

不思議さを追求

 作品の中で描かれる事件には、被害者の靴下が片方だけ持ち去られたという不可解な謎がある。衣刀さんは「私が書くのは本格ミステリー。批判や社会的目的はなく、『不思議さ』を考える」と話す。

 日頃から「こんなことあったら不思議だな」ということを思いつくとメモをする習慣がある。寝ているときにアイデアを思いつくと、その場でスマートフォンを使って原稿を書き進めることもある。「え?そうなるの?と読者を驚かせたい」

 整合性を保ちつつ不思議な展開を考える過程は「胃が痛い」というが楽しいところでもある。「弁護士は後始末のお仕事。一方小説は想像力を使ってゼロから作り上げる。使う能力が違うから面白いけど大変」

 『午前零時の評議室』の単行本は来年3月中旬頃に出版される予定。

【物価高騰支援給付金】手続きは5月16日まで

給付金の受取には支給要件確認書の返送が必要です。対象の方は期限までに手続きをお願いいたします。

https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026642/1030750/index.html

<PR>

さがみはら中央区版のトップニュース最新6

大船渡に100万円寄付

(株)サーティーフォー唐橋和男会長

大船渡に100万円寄付

「この輪が広がれば」

4月24日

局地的大雨への対策強化

市発注の下水道工事

局地的大雨への対策強化

事故を受けルール改定

4月24日

子育て支援施策加速

相模原市

子育て支援施策加速

社会全体で見守りを

4月17日

小中学生が全国で躍動

相模原SSC(スピードスケートクラブ)

小中学生が全国で躍動

年間覇者2人、日本代表1人

4月17日

50周年記念映画を制作

上溝南高校

50周年記念映画を制作

卒業生がメガホン取る

4月10日

2度目のヘアドネ

相生の小学生岡野ななこさん

2度目のヘアドネ

約40cm、バッサリ

4月10日

あっとほーむデスク

さがみはら中央区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

さがみはら中央区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook