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SC相模原 「ワクワクを届ける」 シュタルフ監督インタビュー

スポーツ

公開:2025年2月14日

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シュタルフ悠紀リヒャルト1984年8月4日生まれ。ドイツ出身。監督としてはYS横浜-長野-タイU20代表-ブリーラム・ユナイテッドU20を経て相模原へ
シュタルフ悠紀リヒャルト1984年8月4日生まれ。ドイツ出身。監督としてはYS横浜-長野-タイU20代表-ブリーラム・ユナイテッドU20を経て相模原へ

 昨年6月に就任し、今季は始動から指揮を執るシュタルフ悠紀リヒャルト監督。今季のチームの取り組みや、クラブの未来に対する考え方について話を聞いた(1月22日取材)。 

主導権を握るフットボールを

――昨季を振り返って

 「引き受けた時、クラブからは『将来的にJ2、J1とトップリーグで戦えるクラブに成長していくために今年は勝負を賭けている年』で、あと半年で『昇格させてほしい』ということが明確にありました。

 シーズン途中での就任は私自身初めてのことだったので全く想像がつきませんでしたが、時間を掛けて作り込むことができないことはわかっていたので、少しずつマイナーチェンジをしながら『自分たちの力で勝っていけるようなチーム』にしていくというビジョンのもとで取り組みました。

 具体的には『自分たちがしっかり主導権を握り、再現性のあるゴールで得点力を伸ばし、勝ち星をより多く取る』というプランでした。攻撃だけでなく守備も、耐えしのぐ守備ではなく自分たちからアクションを起こしていく、上に行くためにはそういうところが必要になってくる。『相手に合わせるのではなく自分たちに合わせさせる』、それがもっとできないと、結局相手ありきのサッカーになってしまい、再現性のあるゴールやボール奪取は生まれません。

 我々はJ3で、みんながみんな完璧ではない。1週間の中で限りのあるトレーニングの時間に再現性がなければ 何かを集中的に伸ばしていくということが非常に難しい。だから『再現性のあるフットボールをできるようになる』というのが自分の最初のアプローチでした。

 その中で、選手一人ひとりの粒を大きくしていく。僕が来る前は大卒選手中心のチーム編成で、プロでの経験・実績のない選手が多かった。昇格したチームを見ると、外国人含めて実績ある選手が多数揃っていた。そういう相手を打ち負かすには、それと対等に戦える選手層、選手のレベルも必要です。選手のレベルアップを加速させるために、主体的なフットボール、再現性のある攻撃と守備、そしてその中でレベルアップさせていく。それがおおまかな6カ月のプランでした。

殻を割りかけていた試合はあった

 しかし結果を見るとそれほど得点力は伸びず、勝利数も同じくらいで、プレーオフ圏内を争いつつも最後は結果を逃す、非常にふがいないものになってしまった。

 自分たちで試合をコントロールするチームに変わっていくターニングポイントのような、殻を割りかけた試合は何度もあったと思うが、そこで突き抜けることが出来なかった。

 ミニキャンプを実施した中断明けの3ゲームでは、内容的には変われそうなフットボールが展開できていたと思いますが、内容と結果が比例しなかった。勝利を手繰り寄せる力が僕らに足りなかった、結果的にはそれが最後まで響いたと捉えています。スピードとの勝負になることは最初から分かっていましたが、そこが間に合わなかった、ぎりぎりで逃してしまったということだと思っています」

――焦りはあったのか

 「焦りはなかったです。やれることをずっと全力でやってきました。すぐには上手くならないことは分かっていることで、急激に何かを良くするのは難しいのでそこを求めていたわけではない。ある程度プラン通りに進んでいたと思いますが、内容と結果が結びつかなかった。それがフットボールの難しいところではあります」

熱を伝えたい

――今季のチームづくりの指針

 「大きなもとにあるのはクラブが掲げる『エナジーフットボール』。それを僕なりの解釈で『走る・戦う・助け合う』と言っています。一言でいうと、エナジーは「熱」だと思う。その熱が見ている人に伝わる、エナジーを分け与えていく、それがエナジーフットボールだと僕は解釈しています。

 僕らのフットボールに対する情熱、熱量が伝わりやすい『走る・戦う・助け合う』をキーワード化していますが、他にも熱はいろいろあります。例えばゴールを決めた時や勝利の歓喜、アグレッシブな対人など、見ている方がどれだけサッカーを知っているかどうかに関わらず、熱量を感じてくれるようなチームが僕なりのエナジーフットボール。そのためにチームづくりに取り組んでいます。

 例えば、見ている人を『わあ』って気持ちにするプレー。そこで選手たちに常に伝えているのが『個性を磨いてほしい』ということです。スピードを生かした突破、技術を生かした勢いのあるシュート、空中戦の強さを生かした圧倒的なヘディングなど、一人ひとりが自分のストロングを、90分という限られた時間の中でより多く、より迫力を持って表現する。そこを目指しています。

 『つながる』というのが今年の一番大きなキーワードです。攻撃、守備、連携、切り替え、人と人とのつながりもそう。とにかく全てにおいてつながりを大切にしたい。サガミスタとのつながり、地域とのつながりもそうです。みんながつながって、目標に向かっていけるようなシーズンにしたいです」

SC相模原をまちの誇りに

――ホームタウンへの思い

 「神奈川にはJ1のチームもたくさんあって、派手なサッカーが見たければ相模原を応援しなくてもいいかもしれないですが、だからこそ、応援してもらえるチームにしていきたい。近隣のJ1クラブよりも面白いフットボールをしたい、僕たちがエナジーを届けて盛り上げていきたいというのは感じています」

――クラブの役割とは

 「ホームタウンの人たちに非日常的なワクワク、エキサイティング、エナジーを届ける。それはずっと変わらないし、クラブもずっとやろうとしてきたこと。その上で、海外と比較すると足りないと感じるのは、地域からのアプローチ。こういうところに選手が来てほしい、一緒にやりたい――とか。そういうところが相模原だけでなく日本では少ないのかなと思います。オリンピックやW杯ではみんな自分の国を応援しますが、地域とクラブの合致というのはまだJリーグはそこまでではない。その理由として、『地域からクラブへのアプローチ』というのがやっぱりまだ少ないのかなと思っています。

 もちろん結果は目指すのですが、スポーツの世界ではずっと優勝し続けることはできないし、J1からJ3に落ちることもある。だから結果だけでなく、生涯のパートナーというか、ホームタウンの人たちがSC相模原とともに生きるような存在になれたらいいなと思っています。週末は一緒に非日常を分かち合い、苦楽をともにするような…そういう存在に育って、愛されるクラブになっていきたいです。そのために、負けた試合でも選手が輝いていてエナジーが感じられたり、また応援したいという気持ちにできるようなフットボールをしたい。その積み重ねが、ヨーロッパに根付いているようなフットボール文化に近付く道だと思っています。僕は半分ドイツ人なので、そんな未来になったらいいなと思っているし、地道に僕が監督である限り、その道へと歩みを進めていきたい。

 例えば僕の前職のタイでは、コンビニの店員さんがまちのクラブのユニフォームを着ていたりします。それがかっこいいことで、地元への愛の示し方でもあるんです。今、まちなかで相模原のユニフォームを着ている人を見ることはないですが、これから『SC相模原のユニフォームやエンブレムを身に着けていることがかっこいい』というような、そんな未来になればいいなと思う。みんながSC相模原を応援していることで、つながりができていく。そこはもっともっと自分が引っ張っていけたらと思ってます」

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