公然わいせつ事案の行為者確保に貢献したとして、横山3丁目自治会の宇佐木田和弘会長(54)に相模原警察署(飯塚宏司署長)から感謝状が送られた。「検挙され地域住民が安心して暮らせるようになって良かったが、再犯も多いと聞く。防犯意識の高い地域であることを示すことが大切だと感じている」などと話した。
公然わいせつの目撃情報が今年2月末に2度あって以来、閑静な住宅街に暮らす住民らの生活に不安を与えていた。ともに時刻は早朝、帽子を被り黒い服を着た男性が3丁目内の路上で下半身を露出したという情報だっだ。
宇佐木田会長は当時、自治会の副会長だった似内孝好さん(70)に「見守り活動を強化しよう」と相談。年度末で役員改選を間近に控えたタイミングだったこともあり、有志の「防犯パトロール隊」を結成し、3月上旬から巡回活動を始めた。
ニアミスも見失い
目撃情報などから週末や祝日の朝方に出没する傾向があると予測。2人は週末の朝、町内を1時間半ほど巡回する活動を続けた。
宇佐木田会長は3月9日のパトロールの際、風貌が目撃情報と合致する男とすれ違った。そわそわした様子で周囲を伺うその姿に「間違いない」と感じ、後を追ったが見失った。こうした2人の活動を見聞きした地域住民が加わり最終的には10人体制となった。
防犯カメラで急変
自治会の元役員が個人的に自宅に設置していた防犯カメラの映像が事態を急変させた。犯人の動き出しは6時過ぎと予測し、その時間帯にパトロールを開始していたが、4月半ばに記録されたカメラ映像には5時台に町内を徘徊する姿が捉えられていた。
パトロール隊が出動時刻を早めて2日目の4月20日、5時半を過ぎた頃、通行人の高齢女性が「防犯」の名が記されたベストや腕章をしていたメンバーに「下を出している人がいる」と声をかけた。
現場に急行した2人は二手に分かれ挟み撃ちする作戦で犯人に迫った。宇佐木田会長が角を曲がると目の前に犯人の姿が。一旦やり過ごしたうえで20メートルほどの距離を保ち後をつけた。
時間にして10分から15分経った頃、男が突然、ズボンを降ろした。会長は男の右腕に自身の左腕をねじ込み、逃げようとする男を確保しながら110番通報。駆け付けた署員に身柄を引き渡した。「必死だったので怖いという感覚はなかった。地域住民が安心して暮らせるようになればいい。不審者が地域に寄り付かないよう防犯意識を高める取り組みを進めていきたい」と話した。
夏場にかけて増まずは110番
相模原警察署生活安全課によると公然わいせつ事件、特に露出事案は夏場にかけて多くなるという。また、安全確保の観点から、不審者を発見した際は、110番通報を優先してほしいとしている。
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