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公開日:2026.08.06
はやぶさ2 小惑星と高速すれ違い 地球防衛の技術に貢献
JAXA相模原キャンパス(中央区由野台)が運用する「はやぶさ2」が7月5日、小惑星「トリフネ」との高速すれ違いに成功した。惑星の起源を理解する上で貴重なデータを集めた他、小惑星の衝突から地球を守る「プラネタリーディフェンス(以下、地球防衛)」の技術開発にも一役買う。
はやぶさ2は2014年に打ち上げられた小惑星探査機。18年に小惑星「リュウグウ」に到着しサンプルを持ち帰るなどの成果を上げた後、「拡張ミッション」として継続運用されている。
今回行われたのは惑星の近くを通過する「フライバイ探査」。はやぶさ2は毎秒約5キロメートルという高速でトリフネの表面から約400メートルのところを通過し、太陽系天体フライバイ探査において世界で最も天体に近い記録を作った。
トリフネは雪だるまのような細長い形状で、平均直径約540メートルと推定される。探査では可視光を捉えるカメラでの撮影、水があるかや温度の計測などを実施。今後は得られたデータを元にして、トリフネの形状が2つの惑星の合体によるものなのか、そうだとしてどのように合体したのか、といった惑星形成の経緯が調べられる。惑星の多様性や進化の過程への理解が進むのかに期待がかかる。
今回のミッションは、地球にぶつかりそうな小惑星があった場合に対応する「地球防衛」の技術開発にもつながる。小惑星の衝突といえば、13年にロシアのチェリャビンスク州に直径17〜20メートルの小惑星が落下し、爆風で負傷者が出たことが記憶に新しい。こうした数十メートル級の小惑星は地球からの観測が難しく、将来的に地球にぶつかる可能性があるかどうか全てを把握できないため、探査機を小惑星にぶつけて軌道を反らすなどの防衛策を研究する必要がある。今回のミッションは小惑星に実際にぶつけるのと同等の精度ではやぶさ2の軌道の誘導に成功した。JAXA宇宙科学研究所は30日の記者説明会で「地球防衛において大きな進展となった」とした。
「地元の応援で」
相模原で設計されたはやぶさ2は、いわば「相模原生まれ」の探査機。はやぶさ2拡張ミッションチームの三桝裕也チーム長は「地元の応援で世界初の快挙が続いている。市民の皆さんには、同胞が粘り強く挑戦し結果を出し続ける姿で勇気を与えたい」と語る。
はやぶさ2は最終目的の惑星「1998 KY26」への31年到着を目指して活動を続ける。ただ、はやぶさ2は20年までの運用を見据えて設計された探査機であるため4つのイオンエンジンのうち既に3つが著しく劣化しており、現在は主に1つのエンジンで動いている状況。「イオンエンジンが持つかが最大のポイントとなる」と三桝チーム長は話している。
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