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公開日:2026.05.14

八王子四谷龍頭の舞 300年ぶり 龍頭新調 3年計画の一匹目完成

  • 新旧の龍頭(右が新調したもの)と石森会長

    新旧の龍頭(右が新調したもの)と石森会長

 四谷町に伝わる獅子舞「四谷龍頭の舞」で使用される龍頭(獅子頭)が、300余年の時を経て新調されることとなった。大獅子・中獅子・雌獅子の3匹1組のうち、まずは大獅子の龍頭が完成し、4月25日の町会総会でお披露目された。今年度中に中獅子、来年度中に雌獅子を新調する3年計画となっており、地域の保存会(石森康夫会長)も「地域の伝統芸能を後世へつないでいくための一歩としたい」と意気込みを語る。

 八王子市では市内9つの獅子舞を市の無形民俗文化財に指定しており、現在はそのうち8つが各地域の保存会により継承されている。いずれも五穀豊穣や無病息災などを祈願し、神社の祭礼などで舞が奉納されてきた。四谷龍頭の舞は室町時代末期、現在は廃寺となった宝積院に廻国修行者が伝えたのが始まりとされている。龍頭の内側に「正徳2年」(1712年)の墨書きがあることから、現役で使用されている頭としては都内最古の認定を受けているという。毎年8月には諏訪神社(八王子市諏訪町)の例大祭で舞を奉納するほか、前日の宵宮では四谷町広場でも地域住民らに披露。八王子まつりにも出演している。

 関連する古文書も現存しており、江戸時代に将軍の喪に服して奉納舞を中止した記録なども残る。1997年には東京都代表として国民文化祭に出演。2012年には墨書きから数えて300周年を記念し、保存会員や町会有志らが伊勢神宮へ赴き舞を奉納した。

令和の龍頭

 300年にわたり受け継がれてきた龍頭は、1932年に明治神宮で舞を奉納する際に修繕された記録があるが、それ以降は大切に使用され続けてきた。しかし近年は漆の剥離やひび割れなどが目立つようになり、損壊の懸念が生じたことから、3年前に新調計画が浮上。保存会や町会、市で協議を重ね、市の補助金に加え、町会員や神社、賛同者からの寄付金を活用して3年がかりで造り直すことを決めた。製作は神輿や祭礼具の製造・修理などを手がける浅草の宮本卯之助商店に依頼し、このほど待望の1匹目の頭が四谷町に届けられた。

 「かつて舞手は、地域へ長男の成長ぶりをお披露目する役割も担っていた。また諏訪神社の例大祭は通称『まんじゅう祭り』とも呼ばれ、各家庭で作った酒まんじゅうを近所や親戚に配り歩くなど、地域の親交を深める場でもあった」と四谷龍頭の舞の歴史を振り返る石森会長。「幸いまだ担い手不足には陥っていないが、地域の伝統芸能への価値観をさらに高めていく必要がある。この『令和の龍頭』がその契機となり、次の300年、将来に夢をつなげていければ」と、新たな象徴に期待を寄せた。

 新しい龍頭は3匹分が揃ってから奉納舞などで使用される。

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