あと50秒――。目標だった「シード権獲得」が終わった。
シード権は今年10月に行われる予選会を免除され、箱根駅伝に参加できる権利。予選会から参加となると本番2カ月前に体調をピークにしなければならない。シード権は4年生にとって後輩たちへの「最高の置き土産」となり、在校生にとっては、目標をしっかり定められる特権となる。
10区間で争われた箱根駅伝。「あと一人5秒ずつ縮められれば」と計算上では追いつけたが、選手たちが口にしたのは「自分が50秒縮めていれば」―。卒業する4年生の想いを達成できず、そして自分たちも満足する走りができなかったと後悔する選手たちに話を聞いた。
異 変
昨年シード権を獲得し満を持して参戦した法政大学の2014年箱根駅伝は出走エントリーにエース・西池(3年)の名前がないところからのスタートだった。
エース不在の不安や急なエントリー変更からか序盤でペースを作れない。悪い流れを断ち切ったのは4区、箱根初出走の中村(2年)。中村は「坪田監督が『自信をもって置いている』と背中を押してくれた」と振り返る。区間6位の快走を見せ、5区山登りを昨年区間2位の力走でシード権獲得に大きく貢献した関口(3年)にタスキを託した。しかしなかなか前を走る他校の選手と差が縮まらない。関口は「おかしいな、おかしいなと思いながら走っていました。いつも通りの走りはできていたのですが」と話す。結果は3人を抜いて区間6位。昨年に比べて、また自分自身の状態的にも「及第点とは言えない」結果となった。「監督から『頼むぞ』と最後まで信頼されていたが、応えられなかった」。芦ノ湖までの往路を11位で終えた。
一斉スタートとなった複路はキャプテン田子(4年)が区間7位の走りで意地を見せ、シード権内の10位につける。後続もキープし、箱根初出走の8区佐藤(2年)へ。佐藤は「他チームが競っている中で、作戦通りペースを守れて走れた。タイム的にも自分の走りができたと思う」と、区間7位の走りで順位を1つ上げ9位で9区松田、10区高梨の両4年生にシードの望みを託した。結果はタイムで帝京大、大東文化大に抜かれ11位。わずか50秒の差でシード権を逃してしまった。
リベンジへ
話を聞いた3選手はそれぞれ10人で割った「あと5秒」を悔いるのではなく、「自分があと50秒詰めていれば」と悔しさを口にした。「今までは西池に頼る部分が大きかった。一人ひとりが力をつけなければ」。そして新チームとして「往路優勝、総合3位」という高い目標を立てた。
坪田監督は「西池と出雲・全日本で結果を出した足羽(1年)を故障で欠く戦いとなったが、もし出ていても同じ結果になっていたと思う。個人個人が自分の力を最大限に出し切れるようチーム作りをしていきたい」と話している。
新チームは、まず3月に行われる「立川ハーフマラソン」、そして春のトラック競技に臨み、「力」をつけて箱根の予選会に挑む。
「1からのスタート」
ケガからの復帰を目指す西池新主将
1月3日、西池は大会後に監督から新キャプテンに任命された。今大会は昨年以上の走りを期待されていたものの故障で出場できず。「責任を感じています。走れなかった分、ケガを治し、勝つためのレースや練習をしていき、次はしっかり走って目立ちたい。チームとして高い目標を掲げたので、それに向かってやるだけです」と意気込みを語った。(本文中敬称略)
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