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さがみはら緑区 人物風土記

公開日:2015.06.11

「絵手紙花の会」の講師として、他の講師とともに5月に本を出版した
池田 京子さん
元橋本町在住 69歳

絵手紙が動かす心と心

 ○…9つの絵手紙教室を受け持ちながら、作家としても、オーストラリアのコンクールでの受賞や、個展の開催などの実績を持つ。今回出版された『絵手紙ことばあつめ』は、絵とともに添える「ことば」の選び方を指南するもの。「難しく考えすぎず、送る相手のことを思って書くこと。これが絵手紙の醍醐味でもあります」と優しく語る。

 〇…生まれは鹿児島県。局員として働いていた叔母の勧めで郵便局に入局。以降、定年を迎えるまで一筋に勤めあげ、局長なども歴任した。空いた時間に、帳面の余白にイラストを書いていたところ、当時の郵便局長から「絵手紙をやってみては?」と紹介されたことがきっかけとなり、「絵手紙花の会」の主宰である花城祐子さんの指導を受けた。「先生から頂いた手紙を参考に、たくさん書いていくうちにのめり込んでいきました」

 〇…子どもの頃から絵が好きだった。「中学生のときに美術の先生に褒めてもらったことが嬉しくて」ますます絵に磨きをかけた。現在も絵手紙以外にスケッチや墨画にも腕をふるう。郵便局員時代は、自ら届け物や高齢者への送迎を率先し、地域住民との会話や交流を楽しんだ。「感謝の言葉をもらえると、励みになった」。夫が栽培する野菜や果物は絵手紙の題材にぴったり。可愛い孫との触れ合いを楽しむなど、家族交流も生きがいのひとつだ。

 〇…ある生徒が、病気が原因で塞ぎ込んでしまった夫を教室に連れてきたことがあった。誠意を持って指導していくうちに、徐々に元気を取り戻し、今では「絵手紙を書くことが楽しみで仕方がない」と話しているという。人を元気づける絵手紙の力を改めて実感した。「思いを込めて書くことで、手紙を通して、相手に感動を与え、書いた本人の心も動かすことができる。この喜びを伝えたい」。書かれる1枚の絵手紙には、たくさんの思いが詰まっているようだ。

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