3月にHPを開設した、さがみはら津久井産材利用拡大協議会の会長を務める 佐藤 治男さん 牧野在住 76歳
森林を次の世代につなぐ
○…「地球温暖化が進む中で二酸化炭素を吸収するのは木、そしてそれらを整備する林業。私たちの役目はそういったものを支え広げていくこと」。2017年からさがみはら津久井森林組合の代表理事組合長を務める。3月に開設したさがみはら津久井産材のホームページ公開について「若い世代に森林の素晴らしさの現状を知ってもらえれば」と未来をつなぐ媒体に期待を寄せる。
○…牧野地区出身。農業と林業を営む父親のもとで育ったことで、いつもそばには自然があった。小学生の頃、課題で書いた作文の題名は『山は生きている』。「季節によって移り変わる山の風景を見ていると、なんだか生きているように見えた」と当時を懐かしむ。大学時代は父の林業の仕事を手伝ったことも。「当時はきつくて他のバイトをしたかった」と苦笑い。卒業後はPCを販売する企業や印刷会社で営業職に就き、定年間際には取締役も務めた。
○…定年後、地元に戻ると「地域に貢献したい」という気持ちが強くなった。これまでの実績なども買われ、自治会長や藤野地区のまちづくり会議代表などを任された。「自分の人生の経験が少しでも人の役に立てていたら嬉しい」と顔をほころばせる。
○…約1500人の組合員の中には山の整備の方法が分からない人も多い。「整備されていないと土砂崩れなどの災害が起きやすい。だから少しでもやり方を伝えていきたい」。青年の頃、父の背中を見て覚えた整備方法。当時は辛い思いをして行った経験だが今は大きな財産だ。「山は生きている。人間の支えでより良くなる。次の世代のためにも生かしていかなきゃいけない」。山で育った少年の恩返しはまだ続く。
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