玉川大学芸術学部教授で、“光”で芸術作品を創り続ける 田中 敬一さん 金井町在住 59歳
”光”操り心のヒダに訴える
○…「『ライトアート』というと、とてもデジタルでプログラミングされた世界だと思われがちだけど、本質は制御できないところにあると思う」。”光”を駆使して商業施設や展覧会の演出だけでなく、ライトアートそのものの美術展も開催。コンピューターに膨大な情報を入力して創り出すのではなく、光やガラス、鏡などに様ざまな動きを加え、複雑に組み合わせて創る「アナログで仕掛けカラクリみたいだよ」という。「だって感動的な自然の風景も太陽や風などそれぞれ無数の動きが構成されていることにもつながると思う」
○…玉川大学芸術学部で教壇に立ち、そして造形作家としても活躍。北海道出身。北海道教育大美術科に進学。卒業後、札幌の設計事務所で輸入家具の図面を引く。「実物を見たい」「作品を創るチャンスを逃したくない」と2年後に東京へ。「動く彫刻」の第一人者・伊藤隆道氏の下で環境芸術を学ぶ。伊藤氏は町田駅前の8の字に見えるステンレス作品を制作。「取り付けは我々スタッフの役目。独立してから町田市立総合体育館壁面の作品も僕たちが手掛けた」と言い「やっぱり町田に縁があったのかな」。
○…30代初め、百貨店から「レーザー光線を使った夏休み企画」の依頼を受け、様ざまなアイデアで作品を仕上げ成功したが「もっと時間を掛けて創り上げていけば、アートになる」と予感した。「人の感情のヒダに無理なく入っていくことができる新たな芸術だ」と実感を得た。ライトアートと出会った瞬間だった。
○…14日まで町田市民ホールで開催中の玉川大学生と金井小児童による企画展では、光を使った環境教育を手掛ける。児童との準備を通じて学生に「学校で学ぶ専門性とライブで起きている社会性を学んでほしい」という。今後は「ライトアートの分野を極めつつ教育の現場に生かしたい」と話し、「常に実験できる光のスタジオを持ち学生と感動を共有していきたい」。
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