「先生になろうと思っていたんだよね」。大学で文学を専攻。「文学部っていったら、先生になることぐらいしかなかったからね」
在学中、依頼を受け脚本を手掛けるようになる。コンクールで何度も受賞し、その面白さに目覚めた。「脚本部を作るから」と言われTBSテレビに入社。しかし、脚本部は設置させず演出部に配属された。「テレビ創成期の時代でね。みんな手さぐりで『いいもの創ろう』とがんばっていたね」と振り返る。「ただ、脚本は書いていたけど、演出はしたことが無かったから、みんなに教わりながら必死にやっていたよ。テレビ演出なんて誰もやったことがなかったからね。師匠もいず、みんなで試行錯誤を繰り返してね」
下町生まれ。連れられて行く『チャンバラ劇』が好きだった。「僕の原点は、チャンバラかな。だから時代劇をやりたかったんだよ」。しかし、当初手掛けた仕事は現代ものばかり。やっと、時代劇を依頼され喜んでいると急遽、「現代もの」との指示。「本当に急に変更になったので、脚本を変更する時間もなかった。だから、『じゃボクがやろう』と演出に加え、脚本も担当させてもらったんだ」。『月曜日の男』は大ヒット。入社5年目のことだった。
社会への警鐘
新設の映画部に異動し、国際放送や円谷特技プロダクションに出向。『柔道一代』『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』などを監督として創り出した。『千束北男』のペンネーム脚本も手がけた。「当時は公害が酷くてね。地球の敵は『人間』だった。そして科学への盲信、権力への不信もあったかな。小さいころ、『チャンバラ劇が好きだった』って言ったでしょ。決して子ども向けだった訳ではないけど、子どもでも楽しかった。しっかり伝えれば、子どもでも理解してくれると思って、難しいメッセージを子どもに送ったんだ」
新作も構想中
『バルタン星人の生みの親』としても有名。「バルタン星人を題材に、もう一回撮りたいんだ」。今度の舞台は宇宙だという。「地球の敵は『人間』。いまも戦争を繰り返し、それは変わりないけど、今では宇宙にまで迷惑をかけている。『ゴミを宇宙に送る計画』だけでなく現在も宇宙船の残骸など宇宙に漂っているよね」。人間と宇宙を繋いでくれるのが、『バルタン星人』だという。
地域も題材
1983年には大ヒットドラマ『金曜日の妻たちへ』を世に送り出した。一世を風靡し社会現象にもなった。「このドラマはね、主婦の皆さんへのメッセージだったんだ。だからタイトルに『へ』を付けたの。一週間頑張った人たちにね。ちょっとありそうで、手が届きそうな、そんな世界を表現したかったんだ」。最初に大ヒットしたのが『月曜日の男』、そして『金曜日の妻たちへ』。「曜日を付けるとヒットするというジンクスがあるんだよ」と笑う。
2011年に地元を題材にした映画『ホームカミング』を発表した。「健康のために地元のラジオ体操に参加し始めてね。そうしたら、地域に色々なドラマがあることを知って、この映画が誕生したんだ。それまで地域のことなんか全然知らなかった。寝に帰ってくるところだった。地域のために少しでも恩返ししようと思ってね」
トークショー
今年から活動している『鶴川ショートムービーコンテスト』のスペシャルアドバイザーに就任。7月24日(金)には、ウルトラマンのフジアキコ隊員役の桜井浩子さんとのトークショーが和光大学ポプリホール鶴川で行われる。チケットは1000円。「当時のことだけでなく、大勢の人が聞いて楽しい話をしようと思っています。ぜひお越しください」
トークショーの問合せは町田市民ホール【電話】042・728・4300へ。
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