町田 人物風土記
公開日：2022.03.10
(有)美舟寿しの社長で、藤の台団地の商店街でシェアキッチンを始める
山中 健司さん
森野在勤 46歳
食の力で人をつなぐ
○…長年、飲食の現場で培ったノウハウを生かす時。フードロスや雇用などの地域課題を解決するため、藤の台ショッピングセンターのテナントに空き物件があると聞くと手を挙げた。団地内の商店街。日々の人通りは少ないが、郵便局や銀行が目の前にある。団地の再生とともに、店で行う「通販」にも役立てるとにらみ、会社の事業としても成立するシェアキッチンを立ち上げた。
○…店の調理センターとしての機能も持たせる。３年前にがんで亡くなった母。闘病中も一緒に働きたいという思いを叶えるため、切り分けと弁当盛り付けなど簡単な作業ができるような-。そんな拠点を作りたかった。「母には間に合わなかったけど、同じように病気や障がいのある人の雇用に役立てられれば」
○…町田四小、町田一中、山崎高卒の町田っ子。実家は父が創業した40年以上続く寿司割烹店。２０００年前後のバブルがはじけた後は店も厳しい状況が続き、仕事を探すときも「継ぎたくなかった」と本音をポロリ。興味のあったコンピューター関連の仕事に就く。それでも家族の役に立ちたいと28歳で店に入り、父や板前に鍛えられた。途中、三ツ星レストランや和食居酒屋の有名店でも修行を積んだ。19年に父から社長を引き継ぐと、ケータリング事業や仕出し弁当の販路拡大に努め、店を一段上のステージに押し上げた。
○…コロナ禍が激しさを増した２年前には地元の飲食店を束ねたオンライン決済宅配サービスを立ち上げた。どんどん浮かぶアイデアの数々。良いねと賛同してくれるのも、ちょっと待てと止めてくれるのも昔からの仲間。町田ＪＣ時代の同世代や、栄通り商店会の世代を超えた仲間が支えててくれている。もちろん妻と２人の子どもにも。
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