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掲載号:2022年5月26日号

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道端

 植物図鑑を見たりネットで植物を調べると、しばしば目につく「道端」の文字。植生を説明するのに必要なのかもしれないが、そもそも植物は道端に生えたいわけではない。道がなければそのスペースも草木が茂る場所、つまり道ありきの道端だ、人ありきの道端だ。それでも雑草と一括りされる類の植物は逞しい。舗装道路とブロック塀の隙間、街路樹の根本、ガードレールの下、側溝の縁やひび割れ。あらゆる隙間から芽吹く。キツネアザミ、ナガミノヒナゲシ、アメリカフウロ、ユウゲショウ、ヘラオオバコ、コバンソウ等々。

 コロナ禍で迎えた春は3回目。毎年新入りが芽吹く。今年はとうとう境内にキツネアザミと外来種ナガミノヒナゲシが登場。キツネアザミの名前の由来はいくつかある。キツネが付くのは本物と欺く偽物の意味が多いが、キツネアザミはどうやら違うようだ。歌舞伎役者などが眉を描く眉刷毛(まゆばけ)は馬と鹿の毛から作られる繊細な化粧道具だが、キツネアザミはキツネノマユハケとマユハケアザミという別名がある。差別かもしれないが、タヌキノマユハケはぴんとこない。やはり妖艶なキツネには眉刷毛がしっくりくる。別名がくっついてキツネノマユハケアザミからマユハケが除かれてキツネアザミになったらしい。せめてマユハケは残してほしかった。ナガミノヒナゲシは無毒で可愛らしいケシだが、一株でたくさんの花を咲かせて種を作る。その数なんと10万から15万粒。4株あるから60万粒。舗装道路沿いなどによく見かけるが、防げるわけがない。どうやら国も駆除をあきらめたようだ。

 相模川の河原で立派なキツネアザミが薄紫の眉刷毛をたくさん咲かせていた。砂利道の両脇にびっしりと。私から見れば道端だが、アザミからすれば本来一面に咲くはずが、車の轍で分断されてしまったということ。かの独裁者はどのように分断したいのだろう。進軍した轍の道端に咲けるのは果たして逞しいウクライナの国民なのか、侵攻した国の支配的思想なのか、もしくはがれきのままなのか。

 第三次世界大戦ともなれば、日本も傍観してはいられない。戦争は砲弾やミサイルと共に理性や道徳の通用しない強制的な非日常をもたらす。コロナ禍の比ではない。

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