戻る

町田 人物風土記

公開日:2023.10.12

車椅子のダンス競技「パラダンス」の世界選手権に11月、挑む
持田 温紀さん
金井出身 23歳

感謝の気持ち、ぶつける

 ○…「まさか、自分がダンスをやることになるとは」。大学のサッカー部でチームの地域貢献活動などに取り組むなか、今年3月にパラダンスへと誘われた。当初、思うように車椅子を操作できなかったものの、練習を重ねるうちに技術は向上。楽しさを覚え始めたなか出場した8月の国際大会では競技歴が半年にも満たないなかで入賞する快挙をみせた。「ダンスは自分の感情を吐き出す時間になっている」

 ○…幼い頃からサッカーに打ち込んできた。中学時代はスピードあふれるプレーが持ち味の選手。ただ、進学した高校への通学途中の事故で車椅子生活に。やり切れない日々を過ごすなか、支えてくれたのは家族や友人たちだった。それまで通り明るく接してくれ、次第に前向きな気持ちになっていくと「まさか」が続くことに。車椅子のサッカー部員。そして、パラダンスの日本代表にも。感謝しかない。

 ○…一方で、大学生らがパラスポーツを通して交流する催しの運営代表を今夏、務めた。車椅子のバスケやリレーなどに健常者、障害者が一緒になって挑み、楽しむイベント。「青春」を共有する参加者の姿にパラスポーツが障害の有無を問わず、誰もが楽しめるものであることを再認識することになった。「楽しかった。『境』ってないと思えた。この経験を伝えていければ」

 ○…世界選手権が来月に迫る。まだ、ダンスの技術が十分でないなか、世界の舞台で感情を前面に出していきたいという気持ちがわいている。「支えてくれたみんなへの感謝の気持ちをぶつけていきたい」。目指すは世界一、感情を表す選手。当日のフィニッシュポーズは愛するサッカーのワンシーンを考える。上手く決まるか。残りの日々、全力を傾ける。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

町田 人物風土記の新着記事

町田 人物風土記の記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS