原町田のダンススタジオウップス　ダンス全国大会で金賞2チーム、銀賞2チームの大躍動　子ども達と共に成長するダンス教室

ダンススタジオウップスの子ども達

　原町田の「ダンススタジオウップス」の４チームが10月に開催された「全日本小中学生ダンスコンクール」の全国大会に進出し、２チームが最高評価の金賞、２チームが銀賞を獲得した。相次ぐ好成績の秘訣は何なのか、練習中のスタジオを取材した。

小学生は３年連続金賞

　この大会は朝日新聞社が主催し、「現代的なリズムのダンス」で競う。年々レベルが上がる中、今年は367チームが予選に参加。同スタジオからは、小学生部門にヒップホップの「OOPS !NF!N!TY‼」、ジャズダンスの「caldo」が、中学生部門にヒップホップの「OOPS‼」、ジャズダンスの「Vivace」が出場し、激戦区東日本大会を勝ち抜いて４チーム全てが全国大会に進出する快挙を成し遂げた。

　全国大会でも小学生部門は「OOPS !NF!N!TY‼」が金賞、「caldo」が銀賞、中学生部門は「OOPS‼」が金賞、「Vivace」が銀賞を受賞した。

　同スタジオは小学生部門で３年連続金賞、中学生部門では６年ぶりの受賞となった。

「体力強化で沢山練習」

　小学生部門「OOPS !NF!N!TY!!」のメンバーは「沢山練習した成果」と語る。大会では高速、高難度な作品に挑んだ。体力も必要だったが、毎日練習を重ねることで最後まで踊り切る自信を持てるようになった。

　「先生、親、チームメイトが応援してくれて金賞が取れた」（間崎晃大さん）、「前から憧れだった選抜チームに入って大会にでることができた。レッスン回数を増やし実力をつけた」（間崎晴大さん）。それぞれ誇らしげに金賞の喜びを語る。

　また、中学生部門の「OOPS!!」のメンバーの猿橋叶葵さんは「メンバー同士がコミュニケーションを多く取り合ったことが良かった」と話す。率直な意見を出し合い完成度が高まった。

　メンバーの岩本莉杏さんは「きつい練習もあったが、やってきて良かったと思った」と感想を話している。

ニューヨークスタイルの自由な指導が結実

　同スタジオ代表の小倉誠さんはプロダンサーとしてＣＭ出演や、テーマパークダンサーとして活躍後、劇団四季出身の妻の圭子さんとニューヨークへダンス留学に行く。そこで目にした「誰でも自由に楽しく踊れる場所」を目指し、伸び伸びと踊ることを指導してきた。

　その成果として、レッスン中は厳しい緊張感ではなく、自分を表現することを楽しむ迫力に満ちた熱気に包まれる。「ダンスはリズム感、自主性、協調性、集中力、持続力、そして体力と必要なこと全てを伸ばすことができます」と小倉さん。そんな指導を慕い横浜や秦野など市外から通うスクール生も多い。

子どもが一番輝くことを考え続ける

　小倉さんはヒップホップを担当。妻の圭子さんはジャズダンスの講師を務める。そのほか、各ジャンル精鋭の８人の講師が在籍している。

左からヒップホップ担当CHIHIROさん、小倉誠さん、ジャズダンス担当小倉圭子さん、平木杏梨さん

　講師陣が常に取り組むのは、子ども達をしっかりと見るということ。「一人一人よく見て、みんなが楽しく成長できるように心がけています。ダンスの作品は子ども達がステージの上で一番輝けるように試行錯誤しながら時間をかけて創作していきます」

　また、小倉さんの明るさも魅力。何もない山の中で育ち、楽しいことを探し、いつもポジティブ志向で歩んできた。「僕がそういう性格だから、子どもが躓いた時も心から『大丈夫だよ』と声をかけてあげられるんでしょうね」

　そんな姿勢が伝播するのか、子どもたちの表情も明るくエネルギーに満ちている。「一番の喜びは、子どもたちが楽しそうに踊って、見ている方も笑顔になり、沢山の拍手をもらうことです」。たった５人の生徒から始まり、子ども達と共に22年。成長し続けるダンススタジオウップス。今日も原町田の一角で沢山の子どもたちのエネルギーが交差する。