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公開日:2026.10.08

東京連続降水 町田市内農業に打撃 「冬野菜の種まけない」

  • 実の割れたナス

    実の割れたナス

  • 老沼さんのホウレンソウ畑、大きな溝ができ種をまけない

    老沼さんのホウレンソウ畑、大きな溝ができ種をまけない

 続く長雨により、町田市内の農業が打撃を受けている。日照時間不足により、ナスの育成が遅れているほか、ホウレンソウや大根などの冬野菜の種がまけず、年内の収穫に間に合わない可能性があるという。

 10月2日時点で東京の連続降水日数は観測史上最長の37日となった。また、9月の日照時間は45・8時間で1989年以降で最短。気温も低く、例年と異なる気候となっている。

 この影響を大きく受けているのが市内の農家だ。「ここまで連続する雨は記憶にない」と語るのは2ヘクタールほどの農地で野菜を生産している老沼幸彦さん。夏はトマト、ナス、ピーマン、キュウリ、冬はホウレンソウ、コマツナ、カブ、大根などを育てている。特に影響が出たのはナスだ。6月から10月が収穫期となるが、今年は9月以降、花が落ちることが多く、実がつかないという。また実がついても、成長が遅かったり、奇形が出たりして出荷できる状態にならないものが多い。老沼さんはいずれも、日照時間の不足や降水量の多さ、気温の低さが原因と考えており、「今年は年間出荷量が半分以下に落ち込む」と見立てを語る。

畑に大きな溝

 影響はこれから種をまく冬野菜にも及ぶ。老沼さんの畑では降水量の増加で、水が流れた場所の土が流出し大きな溝ができた。また土中の水分が多いと、蒸発後に土が硬くなるため、芽が正常に根を張ることができず倒れてしまうという。雨が止んだあと土が適切な水分量になるのを待ち、溝をならした上で耕さなければ種をまくことができない。溝は傾斜地の畑にできやすいといい、「市内には傾斜地の畑も多いので、どこの農家も同じような状況ではないか」と話す。

 9月中旬から10月上旬にかけて種をまくホウレンソウは年末が収穫期。種まきが数週間遅れ年内に収穫できない場合、寒さが厳しさを増し成長にさらに時間がかかる。年内収穫に間に合うか、老沼さんは「10月15日頃までに種をまかなければならない」とみる。「台風など特定の災害であれば保証や支援があるケースもあるが、そうではないので難しい。自然相手なのでどうすることもできない」と肩を落とした。

鍋の定番白菜も

 JA町田市・営農技術相談員の山岸明さんによると「秋雨のひどかった1988年以来の状況」といい、幅広い野菜への影響が出るという。

 白菜は雨水が葉に溜まることでカビなどが発生しやすくなり、3割ほど出荷量が落ちると予測する。また、水の溜まりやすい土地では白菜、キャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科が湿害の影響を受けやすく、生育不良が生じる可能性があるという。さらに、ニンジンは種のまき直しになるケースも出るとし、11月上旬の出荷量が減少すると見られる。

 ただ、山岸さんは「ここまでの長雨は想定外」としながら対策も講じていた。エルニーニョ現象により降水量増加、日照時間低下が予想された今夏。ニンジン出荷量が減少すると見込み、早い時期から多めに種をまくように指導した。「ニンジンがどれだけ育つか、対策の効果を判断するのは時期尚早。今後の天候の回復次第」としている。

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