健康のための登山を後押ししようと、高尾山薬王院(高尾町)では同院の護摩受付所まで訪ねた人を対象に手帳を発行し、登山の証となるスタンプを押している。この「健康登山」は2000年頃からはじめた取り組みで、スタンプは21個押されると「満行(まんぎょう)」となり、新しい手帳に更新される。満行を繰り返し、100冊の手帳を数える登山者(成満者/2100回スタンプを押された人)が間もなく100人に達する。
23日時点 93人
高尾山頂上近くにある寺院・薬王院。この護摩受付所の壁面には名前が書かれたたくさんの木札が飾られている。満行者のリストだ。
「健康登山」は今から16年ほど前に、登山者と薬王院関係者との雑談の中から「登山の励みになれば」と始まった。本尊の飯縄大権現の縁日(毎月21日)にちなんで21回の登山で手帳1冊が埋まる内容とした。1冊分(21回登山)が終わることを「満行(まんぎょう)」といい、回数を重ねるとお祝い膳などの特典がある。
さらに満行を繰り返し、100冊を達成すると「成満」といい、成満者の名前は受付の内側に張り出される。
最初の成満者が現れたのは07年。以降、ひと月に2人ほどのペースで成満が達成されており、8月23日時点での成満者は93人。同院では「年内には100人目が現れるのでは」と推測する。
毎日でも6年
「ほとんど毎日のように登山する方もいます」とこの企画を担当する護摩受付所の高橋徹さん。1日に何回登っても1スタンプと決められているので、成満には毎日通っても6年近くかかる計算だ。
同院によると、この健康登山に参加している人の総数は5〜6万人ほどで、これまでの満行者は6000人ほどという。なお、満行者の7・8割は八王子市在住の人だが、中には北海道や沖縄の人もいるそうだ。
70歳代多く
92冊目の手帳を持つ出口鮎吉さん・早苗さん夫妻(中野区)は11年半高尾山登山を続けている。「100番目は誰か?ということで最近はよく登りにくる人の間で話題になっている」と話す。夫妻は仕事を引退してから毎日のように登山へ。「習慣になっているので散歩に近い感じ。高尾山は都会の近くなのにこれだけ木があって気持ちよく、登りやすい」。成満が目前であることについては「今から100人目を狙うのは無理だけど、煩悩の数にちなんで108人目を目指してみようかと思っている。成満した人でも、個人的に4000回登山など、目標を決めている人もいるそうですよ」と教えてくれた。高橋さんは「(健康登山は)70歳代くらいの方が多い。登ってこられるだけで体が丈夫ということですね」と話した。なお、薬王院を通る登山コース1号路は全長3・8キロメートル(約100分)。
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