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タウンレポート 八王子にチェロの灯を 2団体の活動を紹介

文化

掲載号:2015年12月17日号

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チャペルコンサート
チャペルコンサート

 「世界から」「小学生でも」――。弦楽器チェロの魅力を広めようと市内で活動を続ける団体がある。NPO法人チェロ・コンサート・コミュニティ(CCC/子安町/市川和博理事長)は世界規模のコンクールの開催を企画する(過去に3回実施)。一方「チェロ好き達の宴in八王子」実行委員会(明神町/磯野正明実行委員長)は初心者でもステージに立てる公演を開いている(来年6月に4回目)。チェロを通じてこの街の活性化に取り組む2団体を紹介する。

教会公演 続ける理由

 CCC主催による第72回チャペルコンサートが11月17日、大和田町の八王子ホテルニューグランド別館チャペルで行われた。女性3人によるインストユニットがステージに立ち、観衆を魅了した=右上写真。

 CCCは2003年、市内在住のギター演奏家、浜坂福男さん(2004年没)が有志を募り、結成された。活動の目的は、世界のチェリストを集め八王子で「ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール」を開催するため。コンクールは06年に第1回が開催された。「世界中からチェリストが集まり、交流を持つ。ボランティアは昼夜問わず動く。それらの姿はとても印象的でした」とスタッフは当時を振り返る。

 そして3回の公演を終え13年、コンクールの組織は一つのピリオドを迎えた。CCCは現在、4回目の開催にむけ、新たな体制づくりを行っている。「市民の声で立ち上がったコンクール。その灯を消したくない」。前述のチャペルコンサートはCCCの活動、コンクールの存在を周知する側面もある。CCCではその他に、「若きチェリスト」によるコンサート、学校、福祉施設などへの訪問なども行っている。「(チェロの)灯を絶やさないことで、いつかまたコンクールが開催できることを願っています」

初心者もステージに

 明神町にある「磯野チェロ教室」の磯野正明さん(36)は、二十歳の頃から15年間、毎年市内で主催の公演を開いていた。長く続けたが、その中で「なかなか街に音楽文化が根付かない」と実感することもあった。

 磯野さんは10年、実行委員会を立ち上げ、コンサート「チェロ好き達の宴in八王子」を企画する。「ヴァイオリン奏者と違って、チェロ好きは群がるのが好きなんです」。そんな奏者の性格と楽器がもつ音域の広さをいかした、チェロだけのオーケストラによる「大迫力」の公演。出演者はアマチュアから募った(一部プロのチェリストも参加)。「市民に参加してもらい、その方が周りに声をかけてくれれば(チェロが)浸透していく」。磯野さんは初心者でもステージに立てるよう、音符の速さや音程の取り方を調整し、その人用に楽譜を書き換えるなどした。「チェロは一人で弾くものではない。みんなで弾く楽しみがある」。初回の公演は64人が参加。以後、11年は72人、12年は79人と、参加者は増えた。ステージにあがるのは小学生から80歳代まで。「草の根的な活動です。チェロ愛好家が門下、地域を越えて参加しています」

「やさしい音色」「この街と交錯する」

 チェロという楽器は奏者の身長にあわせてサイズが異なる。人の声にもっとも近い音色とも言われている。磯野さんは「耳にやさしく入ってくる。やわらかくてきれい」、CCCの市川さんは「チェロの音色は人の悲喜こもごもを表現できる数少ない楽器の代表。八王子が歴史上経験した『ひきこもごも』と交錯を覚えます」と話す。「世界の演奏を市民に聴いてもらいたい」「初心者でも、みんなでステージにあがり楽しんでもらいたい」――。それぞれの活動が八王子のチェロの灯を、強く輝かせている。

ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール…浜坂さんと親交のあったピアニストの原智恵子さん(2001年没)がイタリアで企画していたもの。原さんの夫でスペインのチェリスト、ガスパール・カサドさんが死去したのち、カサドさんに敬意を示すためにと1969年、スタートした。コンクールは10回行われた。

磯野正明さん…1979年、八王子市生まれ。チェロは3歳の頃から。東京藝術大学器楽科を卒業し、市内の教室で講師を務めたのち、2008年、磯野チェロ教室(明神町)を開講。奏者としてCCC主催の公演にも出演している。

オリンパスホール八王子(子安町)でのガスパール・カサド国際チェロ・コンクールin八王子(上)といちょうホール(本町)でのチェロ好き達の宴in八王子の様子
オリンパスホール八王子(子安町)でのガスパール・カサド国際チェロ・コンクールin八王子(上)といちょうホール(本町)でのチェロ好き達の宴in八王子の様子
磯野さん
磯野さん

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