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公開日:2016.09.08

酒屋が企画
地産地消の日本酒づくり
地元米使用 扱い市内のみ

  • 日本酒づくりプロジェクトを担当する河内屋の西仲鎌司取締役、奥田美和係長、栗城優一支店長(左から)。それぞれ手にするのは「高尾の天狗」

  • 6月の田植えの様子

 八王子で栽培した米で日本酒を醸造し、それを八王子のみで取り扱うという「地産地消」のプロジェクト(はちぷろ)が今年、3年目を迎えた。酒類・飲料専門商社「(株)河内屋(かわちや)八王子支店」(元横山町)が企画した。地域参加型の企画でもあり、今月下旬には市内の田で市民らを交えて稲刈りをする。

市民も農作業 「高尾の天狗」

 商品名は八王子にちなんで「純米吟醸 高尾の天狗」。取扱いは市内の飲食店、小売店のみとしている。

 「飲食店に酒を卸す業務の中で、『製造をしたい』という思いもありました」。プロジェクトの中心となって動く同社西仲鎌司取締役はきっかけを話す。

 西仲さんらは2014年、「八王子の地酒を作ろう」と、プロジェクトをスタートさせる。「八王子は花街があり日本の文化を感じられる場所。日本酒も合うはず。食から八王子を盛り上げたい」。地産地消をテーマにかかげ、米は八王子産を用いることに。醸造は長野県諏訪市の関連会社へ頼むことにした。

 市内の農家に酒造好適米(山田錦など)と食用の米(八王子産米など)を育ててもらい、720ml瓶2200本を生産。15年4月に限定発売した。「山田錦は穂が高く農家さんは相当苦労されたようです」と、西仲さんは振り返る。「少し甘めの酒に仕上りました」

味は辛口

 2年目にあたる15年は山田錦から美山錦に変更。辛口をめざして仕込み、「どちらかというと新潟の清酒っぽい味」(西仲さん)になった。720ml瓶約4000本、一升瓶2200本を生産。16年2月から通年商品として市内での販売を開始した。

 この年から参加型企画がスタート。地域住民にも呼びかけ5月に田植え、7月に草取り、9月に稲刈りなどをした。それぞれ30人ほどが集まった。

 そして今年は地域住民に加え、取引先の飲食店などにも声をかけた。反応は良く6月の田植えには150人近くが参加し生産者、販売者、消費者の「交流の場」にもなった。「みんなで作っていきたい。4、5年は味を研究してブランドにしたい」と西仲さんは期待を寄せる。

 3年目となる今年度の作付けは生産量が1・5倍になるよう計画を依頼した。「雑味のない、すっきりした飲み口の辛口」を見込んでいる。

いずれ酒蔵を

 今後は9月下旬に稲刈りをし、冬場には酒蔵で仕込みの見学も企画している。来年3月にお披露目となる。「地産地消で八王子を盛り上げたい。市内に酒蔵を作りたい思いもある」。西仲さんは夢を膨らます。

 「高尾の天狗」の取り扱いは市内の飲食店(小売店)約100店舗。720ml瓶は小売店でのみ販売している。

 同社は1947年に市内で創業。2007年に本社機能を中央区に移している。

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