八王子版 掲載号:2016年10月20日号 エリアトップへ

JA八王子パッションフルーツ生産組合の組合長を務める 澤井 孝行さん 高月町在住 52歳

掲載号:2016年10月20日号

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土の上の研究者

 ○…「八王子に特産品がないなら、作ればいい」。そんな思いから2013年に部会を発足。現在、10人の若手農家が参加している。それから3年、様々なメディアで取り上げられ、加工品の開発も進んでいる。「まだ特産品とまではいかないが、将来的に八王子を代表する農作物にしたい」。パッションフルーツを使った酒やジュースの販売の予定もあり、少しずつ認知が広がっている。

 ○…最初の栽培は7年ほど前。隣の畑の若手生産者から声をかけられたのがきっかけだった。1年目はあまり結果が出せなかった。「父にビニールハウスを使わせてもらったのに。このままでは引き下がれない」。そこから本腰を入れて育て始めた。「組合長に推されたのは最年長だから」と冗談めかすが、今でも研究熱心なのは人一倍。昨冬はビニールハウスに暖房を入れて初めての越冬に挑戦。燃料費はかかったが、「木が強くなるし冬実も採れる。夏実も早く出荷できる」。新たな感触をつかんだ。

 ○…バブルの絶頂期に大学院を修了し、電子部品の研究員として勤務した。タッチパネルの研究もするなど時代の花形職種だった。それでも「どこかで継ぐことを意識していた」。時代は流れ、研究所の閉鎖で地方勤務の可能性が出てきたことから、実家から通える範囲の出版社に転職。会社員生活の20年のうち、10年が研究員であとの10年が雑誌の編集者。農業を継いだのが44歳のとき。「父が元気なうちに教えてもらうには最後のチャンスだった」

 ○…「育て方はまだ分からないことが多い」。だからこそ、研究によってこの分野をリードできる可能性もある。既存の農作物が価格競争にさらされ手間の割には利益が少ない状況の中で、パッションフルーツは若手農家にとって大きな希望だ。編集者時代に身につけたPR力を生かして売り場でポップを作って宣伝するなど会社員時代に培った能力を最大限にぶつける。

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