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公開日:2016.12.01

造園技「若手」日本一に
市内企業の2人

  • 2人の作品。中央に見える石壁が高評価を得た

  • 喜びを見せる杉本さん(左)と田村さん

 先ごろ、山形県で行われた23歳以下の「若手職人」が技能日本一を競う「技能五輪全国大会」の造園部門(全34組)で、市内造園会社に所属する杉本涼さん(21・(株)鈴木造園/滝山町)と、田村玲治さん(18・(有)カネマス造園/叶谷町)のペアが日本一となる金賞を受賞した。来年10月には、日本代表としてアラブ首長国連邦で開かれる国際大会に出場する。

 技能五輪全国大会は、23歳以下の次世代を担う若手技能者の努力目標となるように1963年から毎年開催されてきたもので、今年は10月21日から24日の間、山形県で開催された。杉本さんと田村さんが出場した造園部門(99年から正式種目)は、2日間の規定時間(11時間)内に、指定された道具や材料を用いて、「更地」を仕様通りの「庭園」にする競技。岩を削り石材をつくり出したり、ベンチを工作する技術などのほか、石壁や草花、ベンチなどを指定通りに配置する「バランス感覚」も求められる。

 2人の作品で見学者の「目を引いた」のが、石壁の美しさだ。他チームが、大きく砕いた石材で「大味な」石壁をつくる傾向にあるなか、細かく砕いた石材を「隙間無く」組み合わせる細やかな「仕事」を見せた。

 杉本さんは「意図的ではなかった」と話すが、鈴木造園の鈴木優代表(48)は「制限時間内に、素早く正確に石積みができた技術は評価できる」と話している。

2カ月半で急成長

 2人は8月初旬からほぼ毎日、鈴木造園近くに設置された「練習場」で、植梅西澤造園(平岡町)の西澤護さん(67)の指導を受けてきた。当初、職歴の浅い田村さんは、板を真っ直ぐに切ることも十分にできなかったが、大会当日までの2カ月半の間、競技に必要な技術を反復することで、急成長を果たしていったという。「平日は一つひとつの作業の練習を中心に行い、土日は、本番を意識した『通し』の練習を実施してきた」と西澤さん。大会へはリラックスして競技にのぞめるように「どんな話でも良いから、常に声を掛け合え」と送り出したそうだ。

来年、世界大会へ

 仕事現場ではまだ「見習い」の2人。杉本さんは現在、京都の会社で修業を積み、田村さんは祖父が経営するカネマス造園から鈴木造園に「出向中」の身だが、「今回の経験が仕事にも生きています」と2人は口をそろえる。

 金賞を受賞したことで、来年10月に、アラブ首長国連邦で行われる国際大会に日本代表として出場する2人に対して、鈴木代表は「世界を取ったら、一人前として認めてやってもいい」とほほ笑みながら期待を寄せている。

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