八王子版 掲載号:2017年1月26日号 エリアトップへ

自身の生き様が描かれた映画が、閉館となる「ニュー八王子シネマ」の最後を飾ることとなった「あっちゃん」こと イノウエ アツシさん 本町在住 52歳

掲載号:2017年1月26日号

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生き様「表現」し、勇気後押し

 ○…「本当に光栄なこと」――。八王子を代表するパンクバンドをヴォーカリストとして引っ張ってきた。そのグループの30周年記念として製作した自身の日常を描いた映画が「ニュー八」の愛称で親しんできた館の最後を飾ることに感謝の気持ちをもっている。バンドマンとして活躍する一方、普段は駄菓子屋の店長――。そんな「変わり者」を描いた作品をみんなに笑ってもらいたいと願う。「こんな男でも夢を追えるなら、自分も、という気持ちになってもらいたい」

 ○…バンドマンとしての”デビュー”は高校3年の時。学校の文化祭で仲間と「ノリ」で舞台に立った。自身が発する言葉に合わせて観客が「乗り」、叫ぶと何倍もの声が返ってきた。「気持ち良かった」。幼い頃、コミックバンドのザ・ドリフターズに憧れ、友だちを笑わせることに生きがいを感じていた少年が天職に出会った時だ。プロとして活動を開始してからは、ピエロの衣装をまとい、「夢を諦めるな」というメッセージを送り続けてきた。

 ○…「すみません」。それが母親と営む駄菓子屋の店長としての口癖だ。子どもの頃から店番などの手伝いをしてきたため、商売人としての腰の低さが身についている。「バンドマンとして、もっと破天荒にしていた方が良いと思うんですけどね」。そう話しながらも、商売人としての誇りは強い。ステージで「受ける」アイデアの源が「お客さん視点」で物事を捉えることにあることを知っているためだ。

 ○…上映作品では、編集に一切関わらずに自分の全てをさらけ出したという。滑舌が悪いため、会話シーンでは字幕が入ることも。資金はWEBで出資者を募るクラウドファンディングを活用。目標額の2倍を超える金額が集まった。「みんながつくってくれたようなもの。仲間は私の宝物」。周囲を愛し、それをストレートに表現できるからこそ、愛される。それが道化師”あっちゃん”最大の魔法だ。

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