八王子、町田の両市民らが連携し、22日に開催する「防災イベント」の実行委員長を務める 小泉 渉(わたる)さん 鑓水在住 68歳
「主役」と伝え、笑顔を一つに
○…両市の住民や企業、学校、行政などが一体となって開く催し「チャレンジ防災」のまとめ役として「当日」が待ち遠しくて仕方がない。根っからの祭り好き。「職業や年齢、住む街が異なる人たちが一つのテーマを基に協力し合う。本当に素晴らしいこと。いろんな方に会いたいね」。起震車体験や非常食の試食など、災害を自分事として捉えられるようにし、来場者一人ひとりの地域防災への意識向上につなげたい考えだ。
○…「地域貢献」する毎日を送る。町会や保護司の活動に加え、近隣小中学校の運営委員会に属するなど、「お役に立てば」と飛び回る日々だ。「頼まれたら断れないんだよ。でも、活動を通して新たな発見が得られる。機会を与えてくれたことに感謝するばかり」。なかでも、少年院を出て「新しい道」を模索する青少年などを見守る保護司の仕事にやりがいを感じている。「できることは話しを聴くことだけ。でもそれが立ち直るきっかけの一つになればと思い活動している」
○…36年間、私立の中高一貫校で生物教師を務めてきた。授業では座学よりも、実験を多く実施。生徒の好奇心を刺激し笑顔をつくる「名人」だった。重視してきたのは生徒の声を聴くこと。「私の意見を押し付けても生徒は伸びない。相手を尊重すれば、生き生きとしてくるんだよ」。異なる立場から出る様々な意見をまとめる必要のある今回のイベントにも、この経験が生かされている。
○…地元愛が活動の根底にある。街を盛り上げるためには、「旧住民」と新たに移り住んできた「新住民」の結びつきを深める必要があると考える。「今回の催しがその役割を果たせれば」。小学生の頃、多くの児童がいるなか、校長先生が「小泉君」と自分を覚えてくれていた。教師になるきっかけとなったその嬉しかった思いを、今回の催しでは自分が参加者一人ひとりに贈るつもりだ。「あなたが主役ですよ」と――。
|
|
|
|
|
|