八王子にゆかりのあるご当地ミュージシャンへの「応援熱」が街に活気を生んでいる。ファンクラブが市内店舗を巻き込んだ応援企画を実施し、協力店の新規客獲得につなげるなどの動きが見られる。CDショップ・タワーレコード八王子店の佐藤由佳店長は「地元愛の強い八王子独特の文化」と評している。
「ハーフと伝えてくれたら、半額にします」。4月、そんな内容の張り紙を出す市内飲食店などが見られた。5月に発売となった八王子「育ち」の4人組バンド「フラチナリズム」のニューアルバム名「ハーフ&ハーフ2」に掛けたCDのPR企画だ。発案者は大和田町で自動車販売店を営む馬場眞由美さん。市内の経営者らも加盟する自身が立ち上げたファンクラブのメンバーに参加を呼びかけ、協力店は13に及んだ。「昨年に続き2回目だが、各店の集客にもつながり。効果はまずまず」と馬場さん。企画に参加した同町の洋食店「パブ&レストランミッキー」の根津光男さんは「これまでもフラチナを応援してきたが、当店がファンの交流場になるなど、お店の新規客の獲得につながっている。昨日は北海道からファンが来た」と、フラチナグッズに囲まれた店内を見渡しながら話す。
「数字」にも顕著
応援熱の高さは「数字」にも表れている。タワーレコード八王子店の今年1月から5月末までのアーティスト別売上ランキング上位5位に、八王子にゆかりのある2つのグループが入った。佐藤店長は「他の地域では見られない傾向。地元愛の強い八王子ならではの文化と言えるのでは。そのため、当店では八王子に関わりあることをアーティストのPRポイントのひとつにしている」。また、「八王子愛」の強いアーティストが多く、それを「公」にしていることが、八王子市民を引きつけ、応援熱に拍車をかけていると見ている。
ガールズバンド「ビッシュ」のメンバー、セントチヒロ・チッチさんもそんなひとりだ。グループ自体は八王子との関わりが少ないが、セントチヒロさんが八王子出身と公言しているため、八王子を「聖地」とするセントチヒロさんのファンを市外から呼び込むなど、街の活性化に貢献している。2月にタワーレコードで行われたセントチヒロさんの1日店長イベントでは、平日夜の開催だったにも関わらず、参加予定人数を超える盛況ぶりだったという。「その日に飛行機で来たお客さんもいたようでした。彼女は『八王子の何らかの大使になりたい』と言っていた。協力していきたい」と佐藤店長。
片倉町の日本工学院八王子専門学校のミュージックカレッジ科長を務める朝比奈孝浩さんは「近年、地元出身のアーティストやスポーツチームなどを愛し応援する傾向が強まっていると感じられる。地元愛で八王子にゆかりのあるアーティストを応援し、それが地域活性につながり皆が元気になる。本当に素晴らしいこと」と話している。
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