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野球通し、「挑戦する心」育む 元プロ 市内高校でコーチ

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掲載号:2017年6月22日号

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 市内の高校硬式野球部で、コーチを務める元プロ野球選手がいる。八王子実践高等学校(台町)の河本ロバートさん(31)だ。米マイナーや国内の独立リーグなどで得た経験を生かし、技術だけでなく、何事にもチャレンジすることの大切さを球児たちに伝えていきたいという。

 現役時代はマックス156キロを誇る剛腕投手。米マイナーや国内の独立リーグなどで活躍してきた。2015年に選手としての区切りをつけると、以前より誘いのあった母校である実践高校硬式野球部のコーチ就任を受託。16年3月から指導にあたっている。「私自身、野球がうまくなかったので、部員たちの『できない』理由がよく分かる。経験をもとに、部員一人ひとりに合った指導を行っていきたい」と河本さん。アメリカや国内のほか、台湾、オーストラリアなど”いろいろな野球”をプレーしてきた経験を生かしていきたいという。

中学までサッカー少年

 元々はサッカー少年だった。華やかなJリーグに憧れ、小学校に入学すると、実家のある奥多摩町でJリーグチームが運営するクラブに加入。サッカーボールを追いかける毎日を送っていた。転機は中学校時代。メンバーの足りなかった通う中学の野球部「助っ人」として投手や外野手で試合に出場すると、そのことを聞いた当時、実践高校野球部だった4歳上の兄に誘われ、同高校入学と同時に本格的に野球を始めた。ポジションは投手。わずか2年で145キロのストレートが投げられるようになるなど、すぐ頭角を現した。「けん制球の投げ方など、野球は細かいプレーが多く、それらを覚えるのが大変だった。あっという間の3年間でしたね」

 高校卒業後は、野球の名門亜細亜大学を経て、米マイナーリーグに挑戦。順調に実績を積み、あと一歩でメジャーリーグという所で、トラブルに見舞われた。心理的な影響などで思うようにボールが投げられなくなる「イップス」と言われる症状に陥ったのだ。ある試合で9回2アウト2ストライクまで相手を抑え込み、決め球に選んだストレートがキャッチャーの遥か上を通過する大暴投となった。そして、次打者以降、4者連続フォアボール。「それ以前から違和感があった。変化球は投げられるのですが直球がコントロールできなくなった」。背景にあったのが、その直前に起こった東日本大震災。日本にいる家族や友人らのことが心配で「帰りたい」という思いをもちながらプレーしていたことが少なからず影響していた。

 その後、「立て直し」を図ろうと国内の独立リーグへ移籍。野球を辞めずに再スタートを切ったのは、イップスという、自分に与えられた困難に負けたくないという思いからだったという。日本に戻ってからは、試行錯誤の末、徐々に症状は改善へと向かい、最速となる156キロのストレートが投げられるようになるほど回復し、活躍。日本野球機構(NPB)挑戦などを重ねたうえで、イップスを克服し、「自分に負けない」という思いが達せられたと考えることができたこともあり引退を決意した。

将来活躍できる人材に

 様々なことに果敢に挑戦することの大切さを生徒に伝えていきたい――。その思いでコーチ業にまい進している。自身が様々な地域での野球を経験し、多くの人との出会いなどによって、自身の視野が広がった経験から生まれている思いだ。「野球のプロ選手になれなくても、”自分の場所”で活躍できる人材に育ってもらいたいですね」。それが新米コーチの夢だ。

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