狭間町交差点から八王子市斎場東交差点まで続く「椚田遺跡公園通り(通称・高専通り)」にベンチや花を設置して、道行く人の憩いの場にしてもらおうと「高専通りほっとプロジェクト」が活動している。休憩できる場所を通りの各所に設置することで「ほっと」できる街づくりを目指す。
国立東京工業高等専門学校の前を走る全長約3キロは狭間町、椚田町周辺に住む多くの人の生活道路として日常的に利用されている。「以前は休む場所もなく、買い物カートに座り込んでいる高齢者を見かけることもよくありました」と同プロジェクト事務局長の中塚勝さん。そこで「高齢者が気軽に出歩ける仕組みはできないか」と考えた結果、「店舗の前に誰でも利用できるベンチを設置して、花もたくさん植えて歩きたくなる道にしよう」と今年の3月から有志らでプロジェクトをスタート。今では、通り沿いの店舗や企業約50団体・個人が参加している。大阪に離れて暮らす中塚さんの母は「駅に行くのが大変」と言って出かけなくなり、「足腰がますます弱くなっている」状況。そんな高齢者の現状を身近に実感するからこそ活動にも力が入る。現在約30台ベンチが設置されているがそれ以外にも、給水できる場所やトイレが借りられる場所も増えている。できる範囲内で店舗が独自に提供しているため、ベンチは形状が様々。そこで協力してもらえる店舗には高齢者だけではなく「誰でも利用できる」ことを知ってもらえるようにマーク=写真内「ほっ」の掲示板=も掲出し始めた。評判は上々で「最近、ベンチに座っている人をよく見かける」「花が増えた」という声が寄せられるようになった。
店同士の交流も
憩いのベンチは、高齢者のオアシスになっているだけではなく、お店同士の結び付きも生んでいる。同エリアを含むドン・キホーテめじろ台店付近の1ブロックが、全国都市緑化はちおうじフェアのスポット会場に認定されており、9月16日(土)から各種の企画を行う。これまで商店会がないエリアだったため、複数の店舗がかかわる地域イベントは初めてという。「活動を通じて自然に店と店の交流が生まれていった。今後もイベントは続けていきたい」と中塚さん。
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