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八王子 人物風土記

公開日:2018.05.17

八王子を中心に活動するバンド「RETO」のボーカルを務める
こやま ゆいさん
国分寺市在住 

耳に残る 心くすぐる声

 〇…市内の体育館で行われたスポーツイベントの冒頭、君が代を独唱した。歌い終えたときの静寂と拍手。「あれは忘れられない経験です」。少し擦れた声は、聞く人の心をくすぐるようだ。「努力しても得られない。天性のモノ」とバンドメンバーは絶賛する。「以前は声優さんみたいにキレイな声に憧れていて、擦れ声は嫌でした。でもようやくこれが自分のものと思えるようになりました」

 〇…音楽をはじめたのは高校生になってから。先輩の演奏する姿を見て「バンドのスタイルってかっこいいな」と憧れた。毎週家族でカラオケに行っており、歌唱力はその頃からおりがみつき。軽音部ではギターを、外部のバンドではボーカル&ギターを担当した。仲間の伝手で現在在籍するバンドの存在を知り、9年前、2代目ボーカルとして加入した。曲づくりでは主に作詞を担当している。

 〇…音楽を続けるかどうか迷った時期もある。大学時代、就職説明会とバンドの練習が重なり、「今しかできないことを」と後者を選んだ。「今みたいな破天荒でない生活も考えます。結婚してあったかい家庭を、とも」とはにかむ。好物はアイスクリーム。好きなタレントは阿部サダヲ。洋服はよく「メルカリ」で買うそうだ。

 〇…音楽がタダで聴ける時代。そんな中、バンドは続けていきたいと考える。「『CDいいよね』より『ライブいいよね』と言われる方が強い(実力がある)と思う。本物を見てがっかりされないように」と生の音をしっかり届けることに力を注ぐ。ライブは月に一度程度、お呼びがかかる。時には八王子の街中で歌うことも。「通りがかりに聞きとめてくれる人もいる。新しい出会いがあるので楽しい」。擦れた声は心地よく耳に残る。

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