八王子版 掲載号:2018年7月5日号
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甲州街道沿いの店と人を写真に収める自主プロジェクトで100人を撮影した 金沢(かねざわ) 伸吾さん 大和田町在住 51歳

「故郷」の姿を切り取る

 ○…「口が達者でない分、写真で表現したかったのかも」。子どもの頃、親の転勤で何度も引っ越しをした。生まれは秋田だが、幼稚園の頃は札幌。「引っ越しは嫌でしょうがなかった。人付き合いは苦手な方」。故郷と呼べる場所がないと感じていた。結婚を機に八王子で暮らし始めたのは20年ほど前になる。2人の娘にとっては八王子が故郷だ。甲州街道沿いの店舗は「寂れている印象」だった。それが興味に変わっていった。「何のお店か分からないところもある。どんな人が中にいるんだろう」。写真のテーマを探すうちに、八王子が自身にとっての故郷に変わっていったように感じている。

 ○…仕事では技術畑を歩んできた。コニカミノルタに入社した当時は、まさにデジカメが登場してきた頃。最初は35万画素のカメラを数社が出している程度だったのが、技術革新のスピードは速く、10年もしないうちに500万画素のカメラが登場するように。「泊まり込みもあり、大変だったが、仕事としては一番面白かった」と振り返る。

 ○…写真でプロを目指したこともある。趣味のスキューバダイビングを通じて水中写真を撮るようになり、ダイビング雑誌の写真コンテストで大賞を受賞した。それを機にプロになろうと思ったが、師匠との折り合いがつかずに数カ月で断念。以来、撮影からは遠ざかった。

 ○…再開したのは7年ほど前。アラーキーこと写真家の荒木経惟さんの作品を見て「生きること。死ぬことを表現している」と感銘を受けた。自身でもモノクロ写真が中心になった。「プロにはならない」。そう決めてから「自分の好きなものを撮る」ことを意識している。しかし、定年を考えるようになってきた最近では「プロもいいかな」。次の目標があるようだ。

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