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公開日:2019.05.01

きょうから令和時代
変わらない 「お山」の生命力
高尾山薬王院大山隆玄貫首に聞く

  • 「大杉に霞がかかり、朝はどっぷり霊山に戻る」という高尾山。その様子を山岳写真家の山口芳男さん(青梅市在住)が撮影した。山に育つ大杉原は樹齢500年以上と言われる

 開山は744年。天平時代から八王子を見守り続ける寺院「高尾山薬王院」(正式名称高尾山薬王院有喜寺)。今回、「令和」へ元号が変わり新しい時代を迎える機会にあたり、「山の主」である大山隆玄(りゅうげん)貫首(かんす)に話を聞いた。

*3月30日取材

「心の拠り所と定めて」大自然 神仏と崇める

―時代が激しく変化する中、高尾山でずっと「変わらないもの」は何ですか?

 「それは高尾山の生命力。お山の中の生きる力。それを高尾山では神仏と崇(あが)めている」

 「ハイキングだったりスポーツ登山だったり、あるいはお参りだったり。訪れる人の目的は異なるが、それぞれ感じて得ているものは共通だったりする。それは大自然の力。意識しないままに感じているはず。山を下りる際、呼吸とともに『生きる力』として持ち帰っている。そしてその縁を感じてまた戻ってくる」

人の流れ変わった

―では逆に、近年において「変わったもの」は何でしょう?

 「人の流れです。交通の便が良くなった。これは大きな変化。昭和40年頃、京王線が新宿から高尾の下(高尾山口駅)までつながった。ご信者さんのお参りの数が増えた」

 「近年ではミシュランが大きい。だけど最初は『ミシュランって何だ?三ツ星は料理屋のランク付け?高尾山の精進料理が選ばれたのか?大変なことだ!』とよくわからなかった(笑)。そこで聞いたら、何万年も保たれてきた山の自然が選ばれた、と。ありがたいこと」

「権現様が守る」

―新しい時代を迎えるにあたり、これからどのような心構えで暮らしていけば良いでしょうか?

 「この高尾山を皆様の心の拠り所と定めていただき『権現様(飯縄大権現(いづなだいごんげん))が守ってくれている』という安心感をいただきながら、これからの新しい社会を生き抜いてもらいたい」

*中面に関連特集あり

―・―・―・―・―・―

 仏ミシュランが日本版旅行ガイドブックで「三ツ星」として選ぶなど今では「観光地」として広く認知される高尾山。「大自然の宝庫」とも言われている。一方その世界では古来、「修験道の山」と知られる。同院は真言宗智山派で「成田山新勝寺」(千葉県)「川崎大師平間寺」(神奈川県)と並ぶ関東にある3つの大本山のひとつ。

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