(株)ホットアルバム炭酸泉タブレット(東町)の代表で、大分県竹田市による温浴法療養施設の運営をする 小星 重治さん 相模原市在住 75歳
発明王 地方創生に挑戦
○…温泉療法の先進地と言われるドイツに習い、温泉資源を活用した「健康づくり」を進める竹田市。同市の長湯温泉は稀少な炭酸泉と知られる。ドイツのものを始め長湯も研究し10年前、家庭用の入浴剤を開発。それを知った同市市長から声がかかった。「人の健康に役立ちたい。その志は2人とも同じでした」。八王子から九州へ赴いた。市が新名所として力を入れる施設は6月にオープン。血流を促す長湯にひたることで体調管理の意識を変えてもらいたいと願う。
○…6人きょうだいの末っ子。子どもの頃はいわゆる「いたずらっ子」。茄子や柿をどうやったら一気に収穫できるか?など遊びも豪快だった。「だから怒られた。夕方になると家に苦情の行列ができていたよ」。神奈川県立相原高校を卒業後、小西六写真工業(現コニカミノルタ)に入社。「やるなら世界をひっくり返すようなものを」。技術開発にまい進し、のちに運転免許証に応用される写真つきIDカードや水洗処理を必要としない現像システムを手掛けた。取得特許は680にのぼる。
○…「4mくらいまで近づいたとき、髪の毛が立ちました」。数々の実績が評価され20年前、紫綬褒章を受章。皇居で天皇陛下から授与された。「いい研究をされましたね。これからも期待しています」。その「お言葉」が新しい道を開いた。社会に貢献しよう――。定年後、病気にならない体づくりのため「体温を上昇させる」入浴剤の開発に取り掛かり起業した。
○…3人の娘を授かり、4人の孫にも恵まれた。趣味は読書。1週間に1冊。気になる本はすぐ「ポチる(ネットで購入する)」。惚れ込んだ長湯温泉は「農村のような素朴さと美しさがある」という。「世界の人に知ってもらいたい」。発明王は「地方創生」の一翼を担う。
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