20日に移転オープンするコミュニティ食堂を運営し、里親活動をしている 坂本 洋子(ようこ)さん めじろ台在住 62歳
18人の子どもの母親
○…「もう34年も続けています」。当時、都でも一番若い27歳で里親をはじめ、これまで延べ18人の子どもを育ててきた。現在は4歳から24歳まで6人の面倒を見ている。独り立ちした子どもが顔を出しに来ることも。「最初はこんなに長くやるとは考えていなかった。1人で十分かなって」
○…出身は山口県。小さいころから生き物が好きで、ウサギや鶏、ハムスター、犬と様々な動物を飼っていた。高校生の頃ベビーシッターのアルバイトをしながら、暇を見つけては子どもの名前の候補を書き連ねるのが趣味だった。新婚旅行先で夫と話した「子どもに恵まれなかったら里親になろう」という言葉の通り、里親への道を歩み始めた。「社会の移り変わりで、様々な問題が出てくる。その色々なタイミングで狭間に落ちてしまう子もいる」。なんらかの理由で親と一緒に暮らせない子どもの数は全国で約4万5000人。そのうち里親家庭で暮らしているのは約6000人。ほとんどの子どもが児童養護施設などで暮らす。
○…休みの日は水族館に行ってみたりと、普通の家庭のよう。「タブーと感じず、もっと多くの人に知ってもらいたい」。そんな思いで市内の里親家庭のネットワークを通じて、3年前にコミュニティ食堂を立ち上げた。「色々な世代の人が来てくれる。里親家庭の子どもも、普通とまったく同じだと知ってもらえれば」
○…子どもの頃から好きだった読書も長い間できずにいる。忙しい日々の中で少しでも落ち着けるのは子どもが寝たあと、ちょっとTVドラマを観ること。「スイッチの切り替えになる。『今日も1日無事だった』って感じる」。心に傷を負っている子もいれば障害のある子もいる。「どの子も幸せになりたくて生まれてくる」。その言葉には重みがある。
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