来春、八王子が東京農業の担い手づくりの拠点となる。先月から、都が募集を開始した新規就農者向けの研修地として大谷町の都有地が使用されるもので、「八王子の農業への起爆剤になる」など、期待を寄せる声が市内からあがっている。
研修場となるのは、都立小宮公園近くの約2万平方メートルに及ぶ都有地。都は先月から研修生の募集を開始し、面接などを経て来年2月末までに5人程度の1期生を決定する予定。研修は来年4月からスタートし、2年間で農作業の基礎技術や就農に向けた知識を研修生らに身につけてもらう計画を都は立てている。
担当する都の松川敦農業振興課長は「都から講師を派遣しノウハウを伝授していく。適切な広さのある都有地があったことなどから八王子を研修場に選んだ。農作物の生産量が都内で一番多い地域であることも良かったと思っている」と話し、毎年1年ごと、研修生を募集していく計画という。「この地から、東京農業を引っ張ってくれる人材が出てきてくれればと思います」
起爆剤として期待
この事業によって期待されるのが、市内農業への起爆剤としての効果だ。市内初の新規就農者である舩木翔平さんは「八王子に農業を学べる場ができるのはうれしいこと。卒業後は八王子で農業を始めてもらいたい。市内に新規就農者が増えることは既存農家にとって刺激になると思います」と話し、消費者を巻き込んだ農業に関わるイベントを開くなど、八王子農業に「新しい風」をふかしてほしいと期待を寄せる。そして、「野菜の販売先が限られているなか、そのような仕掛けをしないと農家として生き残れないということもあります」と先輩としてのアドバイスも。
また、「現在、市内でも新たに農業に取り組む人を対象とした農業塾を開いている。そのメンバーらと交流し、一緒に八王子の農業を盛り上げるようになれば」と話すのは市の担当者。個人で作業を進めることが多い農家にあって、横のつながりを広めるきっかけの一つになる可能性がある、と今回の事業開始を歓迎している。
10日まで募集
都は今月10日(火)まで研修希望者を募集する。18歳以上で、年間200日以上研修を受けることのできる人。就農意欲が高く、都内で独立を目指す、などの条件がある。「東京農業を引っ張っていきたい、という方をお待ちしております」
詳細は東京都・農林水産部【電話】03・5320・4814へ。
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