市立恩方中学校(上恩方町)の裏手にある山で「枯れた沢に水が流れるようにして、ホタルが飛ぶ環境にしたい」と有志による里山環境再生のプロジェクトが始まった。先月、1回目のイベントが行われ、今後は月に1度のペースで山に入って環境を整えていくという。
留まらない水
団体名は「枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会」(三木繁治代表・57 )。会員は約20人。活動をする沢は浅川上流からおよそ40メートルのところにあり、以前は水が流れていた痕跡がある。「間伐せずに何十年も放っておいたからか、護岸のせいか。主な原因は、森林地下の水脈が正常に機能していないためだと思います」と三木さんは話す。
本来であれば、地中にしみ込んだ雨は湧水として地上に出てくる。だが今は固く乾いた地面の表面だけを流れてすぐに森の外に出て行き、流れた土砂が沢を埋めてしまうそう。そこで三木さんらは沢の近くに水や空気の通り穴を掘り、そこに落ち葉や小枝などを詰める作業をしている。「こうしておけば、やがて菌糸が来て、草も生える。その根が土を強くしてくれる」。三木さんによると、森の保水力は木ばかりではなく、小さな草の根の役割も重要だそう。
10年後、ホタルを
三木さんは千葉県出身。現在は同山をフィールドにする林業、森と踊る株式会社(上恩方町)に所属する。活動を続け枯れ沢が復活しホタルが来るようになることについて「自然が100年かけて行う再生を、人間が手助けすることで50年でできるかもしれません。仲間が5人集まれば10年で飛ぶ夢が叶うかもしれません」と話す。実際、浅川上流では毎年初夏になるとホタルが見られる場所がいくつかある。「ここも水が流れるようになれば、やがてホタルも来る。そう考えるとワクワクします」。粘り強く環境を再生していく考え。その一歩を踏み出した。※関連イベント告知枠あり
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